How to reform / renovation

ミラタップ(旧サンワカンパニー)でリフォーム・リノベーション

【店舗リフォーム百科】事例・ノウハウ総まとめ

店舗リフォームを成功に導く5つの重要ポイント

その1.明確な目標設定と綿密な計画

店舗リフォームの第一歩は、リフォームの目的を明確にし、その目的を達成するための具体的な計画を立てることです。顧客満足度の向上、作業効率の改善、老朽化対策などの目的に応じて工事内容が変わるため、事前にしっかりと目標を設定しましょう。
たとえば、壁紙の変色やカビの発生は顧客の印象を損ねるだけでなく、リピート率の低下を招く要因となります。不衛生に感じた顧客が来店を控えれば、店舗の存続にも影響しかねません。
このような課題を解決する店舗リフォームは、競合店との差別化に繋がる重要なビジネス戦略となります。
老朽化した設備を放置すると、重大な事故に繋がるリスクがあります。たとえば換気扇の故障による一酸化炭素中毒や、照明器具の落下によるけがの可能性も。特に外壁の看板は見えない部分が腐食している場合もあるため、定期的な点検と修繕が必要です。
リフォームを実施する適切なタイミングは、新規開業時・老朽化対策・ビジネスモデルの変更時などです。たとえばセルフレジを導入する際には、導線や内装の見直しを行うことで新たな顧客層の開拓が期待できます。補助金や助成金を活用すれば費用負担を軽減できる可能性があるため、事前に活用可能な制度を確認しましょう。

【事業再構築補助金】

事業再構築補助金は業種転換や事業再編を目指す中小企業が活用できる制度で、店舗リフォームの費用も補助対象となります。
補助対象条件や金額は年度によって変更される可能性があるので、詳細は公式サイトでの確認が必要です。

【コロナ回復加速化枠(通常類型)】

コロナ回復加速化枠として従業員数に応じた補助額が設定されており、中小企業の場合、補助率は2/3(条件により3/4)。最大3,000万円が補助される場合があります。(2025年1月現在)

  • 5人以下 補助額100~1,000万円
  • 6~20人 補助額100~1,500万円
  • 21人以上 補助額100~2,000万円
  • 21人~50人 補助額100~3,000万円

※参照元:株式会社パソナ事務局(委託団体)|必須申請要件

【小規模事業者持続化補助金】

小規模事業者が自社の経営を見直し、生産性向上や販路開拓の取り組みに対して支払われるのが小規模事業者持続化補助金。商工会議所の管轄地域で事業を営んでおり、下記の表に該当する法人・個人事業主などが対象です。(2025年3月現在)

  • 商業・サービス業:常時使用する従業員の数5人以下
  • 宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数20人以下
  • 製造業その他:常時使用する従業員の数20人以下

補助対象となるのは、店舗リフォームを依頼したときに発生する経費です。

  • 通常枠:補助率は2/3。補助上限は50万円でインボイス特例も50万円。
  • 賃金引上げ枠:補助率は2/3(赤字事業者は3/4)。補助上限は200万円でインボイス特例は50万円。
  • 卒業枠・後継者支援枠・創業枠:補助率は2/3。補助上限は200万円でインボイス特例は50万円。

※参照元:小規模事業者持続化補助金事務局|小規模事業者持続化補助金

【業務改善助成金】

業務改善助成金とは、事業所内で最も低い賃金を30円以上引き上げ、生産性向上に関する設備投資に対する費用を助成するものです。
中小企業・小規模事業者が対象で、事業所最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内、解雇・賃金引き下げなどの不交付自由などがないことが要件に盛り込まれています。(2025年1月現在)
たとえば30人未満の事業者で最低賃金の引き上げ額が30円の場合、助成額は下記のとおりです。

  • 引き上げる労働者数1人:助成上限額60万円
  • 引き上げる労働者数2~3人:助成上限額90万円
  • 引き上げる労働者数4~6人:助成上限額100万円
  • 引き上げる労働者数7人以上:助成上限額120万円
  • 引き上げる労働者数10人以上:助成上限額130万円

コースは4種類あり、賃金の引き上げ額や引き上げる労働者の数などによって助成金額が変動します。

※参照元:厚生労働省|令和6年度業務改善助成金のご案内(pdf)

【受動喫煙防止対策助成金】

中小企業が受動喫煙防止のための設備整備に対して助成するのが「受動喫煙防止対策助成金」。入口の風速が毎秒0.2m以上・壁や天井などによって区画されていること・排気できる喫煙室を作ることが条件です。
補助金の対象となるのは喫煙室の設置に必要な電気・建築・配管工事などで、喫煙室のデザイン料は受動喫煙の防止に関与しないとみなされるため補助金の対象になりません。受動喫煙防止対策助成金は喫煙室の設置にかかる費用の2/3を助成し、上限額は100万円です。(2025年1月現在)

※参照元:厚生労働省|受動喫煙防止対策助成金 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)

その2.適切な予算管理

目標と計画を定めたあとは、リフォーム内容と予算を照らしあわせて計画通りの工事を行えるのか確認しましょう。業種・使用する材料・設備の状態などによって費用が変動します。

内装費用の目安

内装は坪単価で計算するのが基本で、1坪当たり15~50万円が相場です。水回りの設備が必要な美容室・エステサロン、厨房設備も必要な飲食店などは坪単価が高くなる傾向にあります。なお、内装工事の内訳は次のとおりです。

  • デザイン費:店舗の設計・デザインに関する費用。総工費から一定の割合・坪単価などで算出される。
  • 内装工事費:床・壁・天井などの仕上げ、および設備工事費などが含まれる。
  • 設備工事費:電気・ガス・水道・給排水・空調工事費などが含まれる。
  • その他諸経費:仮設費・養生費・運搬費などが含まれる。

また予算計画を立てるときは、予備費を持っておくのが肝要です。予備費を持つことで、予期せぬ工事やランクの変更など、よりよいリフォームのために柔軟な対応ができます。
経営状態(赤字が続いている)によって融資を得られない場合は、老朽化している箇所を優先的にリフォームしましょう。

その3.効果的なスペースデザインとレイアウト

店舗リフォームによって顧客満足度の向上・作業効率の向上などを図る場合、効果的な店舗デザインの要素を理解する必要があります。顧客導線を最適化することで購買意欲を高めたり、照明を活用して滞在時間を伸ばしたりするなど、店舗に適した選択が求められるためです。
とくに店舗の顔ともいえるファサードは、エントランスに入るまでの導線にも工夫が求められる箇所。色彩を取り入れたブランドイメージの反映・照明の活用などで、集客率のアップに繋げましょう。
なお、現在のトレンドを取り入れることで集客アップが期待できますが、店舗理念と合致するかを慎重に検討する必要があります。まずは店舗理念をもとに設計し、トレンドを取り入れるポイントがあるか探してみましょう。店舗デザインには住宅のような展示場がないため、公式サイトや実際に手がけた店舗を参考にするのがよい検討方法です。

その4.従業員や近隣への配慮

店舗リフォームを成功させるためには、従業員や近隣への配慮を忘れてはいけません。従業員が快適に働ける空間を作りあげるためには、作業効率が向上する導線が重要。適切な空調設備・休憩室や作業スペースの確保など、意識するポイントは数多くあります。
飲食店を事例にすると、涼しい環境で仕事をできるようにと空調を設置したつもりでも、注文した商品にあたってしまう位置だと料理が冷めてクオリティが下がってしまうでしょう。
快適な作業環境を提供できるようにするだけではなく、工事期間中の勤務への配慮も欠かせない要素。長期間にわたるリフォーム工事であれば、期間中の休業補償を支払う必要もあります。
さらに、近隣への挨拶や配慮がないとリフォーム後に来店してもらえなくなるだけではなく、トラブルの原因になりかねません。工事で騒音・振動・ほこり・臭いなどが発生するので、事前に詫びておくのが無難です。場合によっては現場監督や施工会社などに苦情対応を行ってもらいましょう。

その5.効率的な工事の進め方

営業を休んで集中工事を行う方法

大がかりな店舗リフォームを実施する場合、営業を休んで集中的に工事する必要があります。工事中は売上が発生しませんが、最短期間で工事を進められるのがメリットです。
従業員を雇っている場合は、営業を休んでいる間の休業補償を支払わなくてはいけないケースがあります。休業期間が長いとその分の売り上げが減るため、工事を短期間に終わらせるために入念な準備と計画が必要です。

営業しながら部分的に工事を進める方法

営業しながら工事できる場合は、売上を上げながら工事を進められます。ただし、営業中に騒音・ほこり・匂いなどが発生する可能性があり、売上が縮小することを考慮しておきましょう。
営業をしながら工事しているため、雇っている従業員に休業補償を支払わなくても良いケースが多いのもメリットです。
なお、営業しながら工事をするときは、夜間・定休日に工事を依頼する方法を検討しましょう。どちらも通常の工事よりも人件費が高くなりますが、営業への支障がでにくくなります。夜間・定休日に工事できるかはリフォーム内容によって決まるので、事前に業者に確認しておくのが肝要です。
消防設備を設置する必要がある防火対象物の検査日程は前もって組んでおき、営業再開に支障が出ないようにしましょう。

店舗リフォーム8つの事例

清潔感とアンティークが融合したクレープ屋さん

清潔感とアンティークが融合したクレープ屋さん
清潔感とアンティークが融合したクレープ屋さん

清潔感溢れる白を基調にした店内に、アンティークが散りばめられているクレープ屋さん。床に使用されている《デザインウッドタイル》が、清潔感とアンティークの雰囲気をまとめあげています。
アンティークの雰囲気漂うペンダントライト蛇口・給排水管など、細かな部分にこだわりっているのもポイントです。ディスプレイされている食器や飾り物、棚や鏡など、どこか温もりを感じるアイテムで統一されています。

フロアタイル:《デザインウッドタイル

大きなガラスから広がる夜景を楽しめる空間

大きなガラスから広がる夜景を楽しめる空間
大きなガラスから広がる夜景を楽しめる空間

銀座4丁目にある「銀座四代目高橋屋」は、落ち着いた雰囲気が漂う内装デザインの店舗。大きなガラスからは銀座の夜景が広がり、電球色の優しい灯りを灯す照明が夜景の魅力を引き立てています。
厳選された素材を使用した店内は、特別な日にぴったりな品のある空間です。天然石を使用した高級感のある床・漆喰で仕上げた和のテイストが漂う壁などが、「銀座四代目高橋屋」で過ごす時間を魅力的演出してくれます。

石材:《玄昌石400角

ゆったりとした時間を堪能できる極上のリラックス空間

ゆったりとした時間を堪能できる極上のリラックス空間
ゆったりとした時間を堪能できる極上のリラックス空間

暖かい気候と自然豊かな沖縄を満喫できる宿泊保養施設。間仕切りを撤去することで広々した空間になり、部屋の奥からも沖縄の絶景を眺められます。
バルコニーには黒を基調としたアウトドアファニチャー《PATIO PETITE MA Series》を設置し、食事や団らんなどゆったりした時間を過ごせる工夫を施しているのがポイントです。
タイル《ループ》(廃番)を洗面所に設置し、自然を眺めながら入浴できる風呂までの道のりを清潔感のある空間に仕上げました。

石材:《ループ》(廃番)

浅草で和を感じられる浅草新誠ホテル

浅草で和を感じられる浅草新誠ホテル
浅草で和を感じられる浅草新誠ホテル

観光客が訪れる浅草エリアに位置する「浅草新誠ホテル」は、和モダンの空間と清潔感のある水回りの設備が整っているホテル。和モダンな畳・和室特有の欄間など、昔ながらの日本の生活を体験したい観光客におすすめです。
快適さが求められる水回りは、洗面台に「センシ―洗面」や「フィクサーカラー水栓」を使用し、快適に使用できる洗練された空間に仕上げています。
コンパクトサイズのキッチン《センシ―》も採用しており、宿泊客が日本の食材を調達して自分で調理することも可能です。

コンパクトキッチン:《センシ―

農業用プレハブ倉庫を再利用した自然の中にある美容室

農業用プレハブ倉庫を再利用した自然の中にある美容室
農業用プレハブ倉庫を再利用した自然の中にある美容室

田園に建つプレハブ倉庫を再利用し、白とナチュラル素材を使用した「美容院miike」。美しくなめらかな木のカウンターが設置されたスペースでは、田園の風景を眺めながらリラックスしてカットしてもらえます。
シャンプー台にはタイル:《リバーサイド》(廃番)を設置して、上品さを感じられるスペースに仕上げました。
基本的にプレハブ倉庫の壁や天井をむきだしのまま使用していますが、清潔感のある白で美しく塗装しているため、プレハブ小屋であることを感じさせないスタイリッシュな空間に仕上げっています。

タイル:《リバーサイド》(廃番)

費用対効果の高い店舗リフォームを実現するには

経営を圧迫せずにリフォームするためには、どのようにして費用を抑えるのかが鍵です。コストを抑えられる業者を選定するだけではなく、施主支給・施主指定などを活用してコンセプトに合う品を安価で設置しましょう。

ニーズに合うリフォーム業者選び

内装リフォームを依頼する業者は、仕上がりや費用などを考慮して選定しましょう。選ぶ業者によって、それぞれメリット・デメリットがあります。

リフォーム専門会社

リフォーム専門業者は設備や施工方法などに詳しいため、適切な工事内容を提示してくれます。とくに部分的な補修や交換などの場合は、工事経験が豊富なリフォーム会社に依頼するほうが安心して任せられることが多いものです。
しかし、店舗デザインには力を入れていない業者が多いので、デザイン性の高い店舗にしたいときにはデザインに力を入れているリフォーム会社を探すか別の依頼先を検討する必要があります。

ハウスメーカー

住宅のみを取り扱っているイメージが強いハウスメーカーですが、店舗リフォームを行っていることもあります。とくに大手の場合は店舗リフォームを行っていることが多く、全国各地に展開しているハウスメーカーなら幅広い店舗を任せられるのがメリットです。
ただし工事は下請け業者に委託しているため、費用が高くなる可能性があります。担当者が店舗リフォームの知識に乏しいこともあるので、事前にどのような工事ができるか確認しておくのがよいでしょう。

設計事務所

デザイン性の高い店舗にしたいときは、設計事務所に依頼するのがよいでしょう。デザインに関する知識や経験が豊富にあるので、競合とは違う雰囲気の店舗にリフォームできます。
設計事務所への依頼では別途設計費用が発生するので、工事費用が割高になることが多いものです。施工費用がどのくらいかかるか施工業者に確認しないとわからないこともあるので、資金に余裕がある方におすすめの方法といえます。

工務店

リフォーム費用を抑えたいときは、工務店に依頼するのがおすすめです。工務店は営業・設計・施工などを兼務していることが多く、間に入る業者が少ないため費用を抑えられます。
ただし、さまざまな業務をかけもちしていることが多い工務店は、工事の完了までに時間がかかることも少なくありません。さらに店舗リフォームの実績が少ない工務店に当たった場合は、工事が終わるまでにより時間がかかる可能性があります。

なお、依頼する業者を選定したあとは、工事の範囲・使用する材料・保証内容などの契約内容を確認しましょう。トラブルを防ぐために契約内容は書面に残し、不明点をそのままにせずに契約前に確認するのがトラブルを避けるコツです。

予算を圧迫しない建材・設備の手配方法

施工業者に建材・設備の手配を頼む以外に、施主支給・施主指定などを活用すると好みの建材を比較的安価で入手できます。
施主支給は、施工業者の代わりに建材・設備を発注する方法です。施工業者が取り扱っていない好きな建材・設備を発注できるだけでなく、低価格のものを探せば建材・設備にかかるコストを削減できます。また、すでにある建材・設備の再利用もできるため、うまく活用できればコストの大幅削減も可能です。
ほかにも施工業者を仲介しないで発注するため中間マージンも削減できますが、業者に依頼するよりも手間がかかるだけではなく、支払いを自分で行わなくてはいけないこともあります。さらに仕様や規格などを理解していないと購入した建材・設備が使えず、無駄になることもあるので注意が必要。例を挙げると、ライティングレールに取り付ける照明器具を海外製のものを購入した場合、日本規格と異なる可能性があるので取り付けられないかもしれません。再度違う照明器具を発注することはできますが、工事が遅れるなどのトラブルに繋がることもあることを覚えておくといいでしょう。
施主指定は、施工業者の代わりに建材・設備を選定する方法です。施主支給と同様に好きなものを選定できますが、施工業者が発注する点が異なります。施工業者が普段取り扱っていないメーカーの建材・設備を選定する場合は手配に時間がかかることもあるので、スケジュールに余裕を持っておくのが大切です。
ただし、施主支給・施主指定ともに施工業者から断られる可能性があるほか、予定した費用よりも高くなるケースもあります。施主支給・施主指定どちらの方法も、ノウハウに精通した業者に依頼できるかが鍵となります。

おしゃれな店舗リフォームを低予算で実現するなら

店舗リフォームを低予算で成功させるには、業者選びや建材・設備などの手配方法などに気を配る必要があります。そもそも低予算で効果的な店舗リフォームを実現するにはさまざまな要素が絡んでくるため、ひとりの力では難しいものです。
予算を抑えつつリフォームの方向性や内容などを相談して進めたい人におすすめなのが、ミラタップの企業向け相談窓口。施主支給・施主指定のメリットを最大限に生かすプロジェクトチームが、適切なサポートで理想の店舗リフォームをお手伝いいたします。検討段階でのご相談も歓迎いたしまづので、お気軽にお問い合わせください。

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