茨城の古民家をフルリノベーションした一棟貸しサイクルヴィラ
2022.09.09
今回ご紹介するのは、茨城県土浦市の住宅地で、ひときわ目立つフルリノベーションサイクルヴィラ(※)「No.3 Tsuchiura」です。
物件のオーナーであり企画・設計された株式会社Isoe代表の鎌田様にお話を伺いました。
※サイクルヴィラとは
自転車が乗り入れ可能な一棟貸しの宿泊施設です。室内に自転車を掛けるスペースがあり、サイクリング目的の方にも安心してご宿泊いただけます。サイクリング以外の方も宿泊可能です。
日本にいながら海外の雰囲気を感じられる空間
―今回の物件のコンセプトを教えてください。
鎌田:弊社はこれまで色味と質感にこだわった空間作りに力を入れており、今回はとことん手仕事にこだわろうと思いました。中でも、住宅で壁を左官仕上げにしているところは珍しく、シンプルで居心地が良いかっこいい空間を目指しました。また、今回はリノベーション住宅なので、もともとの建物の雰囲気を活かそうと工夫しています。
欧米の内装をイメージしたスタイリッシュな空間
―他にも空間でこだわったポイントはありますか。
鎌田:とにかく採光と窓の位置、大きさを何度も検討して設計しています。周りが住宅街ということもあるので、宿泊者様や近隣の方の視線が交わらないようにしながらも採光を確保できるように気を付けました。キッチン後ろにはバックカウンターからのウッドデッキを設けているので、窓を開けるとそのまま外に料理の提供ができるよう導線も工夫しています。
空間の中心に≪ウィッテ≫ を配置し、ウッドデッキへの導線を意識
ウッドデッキには洗面器≪スロップシンク≫ を使用。テラスでは備え付けの機器でBBQを楽しむ事も可能
―ウッドデッキまであるんですね、すごい。弊社の商品が色々なところに見えますが、使用してみていかがでしょうか。
鎌田:キッチンには≪ウィッテ≫を使用したのですが、価格的にちょうど良くて、デザインとコストのバランスがすごくいいなと思いました。左官壁の空間に置いても浮いてしまわず、違和感が無いというのが良かったですね。お客さんからは特注ですか?と聞かれることも多いです。
あと、室内床に使用しているタイルについては、東京ショールームの魅せ方が素晴らしかったです。商品が分かりやすく展示されており、ショールーム空間の印象をそのまま今回の物件に持ってこれました。
床全面にタイル≪アルトテラ(アントラチーテ)≫ を使用
―今回サイクルヴィラということで、こだわったところはありますか。
鎌田:ロードバイクなど自転車に乗る方は自分の自転車が大好きなので、キッチン≪ウィッテ≫で料理を作ったりお酒を飲みながら、目の前に掛かっている自分の自転車を眺めて欲しいという想いがありますね。
自慢のロードバイクを壁掛け可能
―周りが民家の中でヴィラを作ることに苦労はありましたか。
鎌田:宿泊される方の騒音などを考えて、防音については非常に意識をしましたね。壁を二重にするなどコストを掛けています。夜に大音量を流して外に音漏れがしないかどうかの実験なども実際しましたね。
設計を進めていく上で、ギャップがすごくいいなと思いました。今回の物件に向かう道中の自然が多い住宅地から、建物の中に入った時に「うわっ!」というインパクトを感じられるのではないでしょうか。
2階は和室
和室空間と建具の≪ノッポ(ラフグレー)≫ が調和
―1階のスタイリッシュな空間と2階の和室空間にもギャップがあって素敵ですね。今回の物件に限らず空間づくりで意識していることはありますか。
鎌田:弊社の場合は飲食店のデザイン設計をすることが多いので、お店に入ったときの驚きや、心に残るデザインというものを大事にしています。
色や質感にこだわり、居心地の良さを追求することによって、忘れられない空間作りを意識しています。タイル一つ取っても、日中に見るとこの色味だけど、夜になったらこういう風に見えるよね、ということを突き詰めています。また、料理はどんなものが出てくるのか、客単価はどれくらいのお店なのか、それと合っていない内装のお店だと流行らないので、クライアントとは打ち合わせを重ねて、お皿やメニュー表をどうするか、みたいなところまでこだわっています。売れないお店を作っても意味がなくて、【デザインがいいのは当たり前、売れるためのお店】というところが大事だと思っています。
―売れるためのお店作り、素晴らしいですね。そちらを踏まえて、弊社商品の印象はいかがでしょうか。
鎌田:これまでお話したミラタップ(旧サンワカンパニー)さんの商品以外には、脱衣所に《デイリー》、トイレに《レプト手洗台》、ウッドデッキに《スロップシンク》を使用しているのですが、ミラタップ(旧サンワカンパニー)さんの洗面ボウルがとても好きなんですよね。強いて言うなら、もう少し採用しやすい価格帯やサイズの商品が増えるといいなと思います。
例えば、350mmだと飲食店の狭いトイレには入らない事が多く、300mmのシリーズがとても需要があります。現状、200mmのものを無理矢理入れることがありますが、今の時代に合って無いなと思います。ですので、ホワイトカラーの一色だけでもいいので280~300mmくらいの洗面器がもっと増えてほしいです。あとはコロナ禍になって保健所が厳しくなったので、オーバーフロー式の洗面ボウルを入れるよう指示されるのですが、薄型ではなかなか無いので、是非開発いただきたいですね。
トイレには≪レプト手洗台(ブラック)≫ を使用
脱衣所の洗面ボウルに≪デイリー≫ 、床タイルに《グレイソウル(廃盤)》を使用
―飲食店という切り口で採用しやすい洗面ボウルのサイズ感、仕様について大変勉強になりました。本日はお忙しい中、取材にご協力いただきありがとうございました。
【取材の感想】
取材前、現地に向かう道中は自然が多く、周りが古民家の住宅地だったため、本当にヴィラがあるのか疑問に感じてしまう立地でした。ただ、物件の中に入ってみると、外と中のギャップにとても驚かされました。私もロードバイクに乗るのが趣味なので、土浦に来た際には「No.3 Tsuchiura」に泊まってみたいと思える物件でした。 取材にご協力いただいた鎌田様、ありがとうございました!
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今回取材させていただいたお客様
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株式会社Isoe東京都
この記事に登場した商品














