古いモーテルをイメージした渋谷のカプセルホテル
2023.06.23
今回ご紹介するのは、渋谷に新しくオープンした新しいカプセルホテル「Book TeaBed SHIBUYA(ブッティーベッド シブヤ)」です。当社の洗面ボウルや手洗器、シャワーブース等を多数ご採用いただきました。

Book TeaBed SHIBUYA 外観
設計を担当されたのは、建築とグラフィックデザインを手がける総合芸術制作会社、デリシャスカンパニー様。今回は、デリシャスカンパニー代表の半田悠人様に、空間づくりのこだわりや、当社を知っていただいたきっかけを伺いました。

外国の古いモーテルのような空間
―「Book TeaBed」はどのようなホテルでしょうか。
半田:「Book TeaBed」は名前の通り、「本×カフェ×泊まる」がコンセプトのホテルです。新宿御苑と伊豆大島にも展開していて、渋谷が3店舗目です。
渋谷の「Book TeaBed」はカプセルホテル仕様になっていて、外国人や女性の方をターゲットに設計しました。
―ターゲットはどのように決められたのでしょうか?
半田:渋谷には女性が泊まれるカプセルホテルが非常に少ないんですよね。漫画喫茶で泊まる例も少なくないようです。そこで、オーナーの方から”女性をターゲットにしたカプセルホテル”にしたいというご要望を受けました。さらに、外国人旅行客もターゲットにしたいという話があったので、海外の方にとって馴染み深い、古いモーテルのような内装をイメージすることにしました。

古いモーテルをイメージしたレセプション
―カプセルホテルには珍しい、どこか懐かしい雰囲気の内装ですね。
半田:はい。長期間旅行していると、やっぱり母国が恋しくなるじゃないですか。海外の方をターゲットに思いっきり日本らしい内装に振り切ることも出来ましたが、今回はそうではなく、帰ってきてほっと落ち着けるような内装を目指しました。

エレベーターホール

客室
また、個人的に、ホテルはどこかデコラティブな要素があるべきだと考えているので、受付のカウンターや家具を全てモールディング※で納めました。こういった細部のデザインからも、懐かしさを感じてもらえると嬉しいです。
※モールディング:建築や家具の枠の装飾のこと

キャビネットには、ホテルのコンセプトでもある本が並ぶ予定
内装を引き立てるための設備選び
―水回りには、当社の製品を多数ご採用いただいていますね。
半田:はい、内装をデコラティブにした分、設備はなるべくシンプルにしたいという想いがあり、ミラタップ(旧サンワカンパニー)さんのものを選びました。
洗面は、タイル・天板・ボウルをマットな素材で統一しました。
水栓もホワイトにすることで、グリーンの壁面タイルが引き立っていると思います。

洗面ボウル《シンエッジ》

水栓もホワイトで統一されている《ニューベガトール混合水栓》
シャワーブースもミラタップ(旧サンワカンパニー)さんのものを使用しました。他メーカーのものは、パーツが丸みを帯びていたりするのですが、《シャワーブース700》は無駄のない直線的なデザインです。”他とは違う”というのがデザインで一番大事だと思うので、それが決め手になりました。
「モブ建築」にインスパイアされた空間づくり
―どのようなきっかけで当社を知っていただいたのでしょうか?
半田:相当昔からのファンです。初めて購入したのは5年前くらいだったと思いますが、その前から名前は存じ上げていました。このホテル以外の現場でも良く使わせていただいていて、ガラスドアの《クアドロスリム》なんかは特に好きな商品です。

ガラスドア《クアドロスリム》
フレーム部分がたったの16mmと、ものすごく細くて繊細なんですよね。造作で同じようなものを作ろうとすると、もっと重くなってしまいます。こういった商品が既製品で販売されているのは、とても嬉しいです。
―他の物件でも色々な商品を使っていただき、ありがとうございます。
今回の物件を含め、半田様の建築は色使いがユニークだと感じますが、どのようなものから影響を受けていらっしゃるのでしょうか。
半田:私は、どこの誰が作ったかも分からない通称「モブ建築」に影響を受けていると思います。16歳の時に初めて海外に行って、カナダの高校で過ごしたのですが、クラスメイトの服装や教室の壁の色、体育館の床等、目に入る全てにしびれました。それ以来、海外を含め色んな場所を回るようになって、モブ建築に影響を受けています。

―現在は、店舗や施設だけではなく住宅も手掛けてらっしゃるということですが、空間づくりにおいてのこだわりを教えて下さい。
半田:一番は「お施主さんの言いなりにはならない」ということですね。設計者として、住む人が10年後にも不便なく暮らせるような設計をしたいと思っています。なので、お施主さんが「これがいい」と言ったとしても、僕の経験上デメリットが分かっているなら素直に伝えます。お施主さんに従った方が簡単だとも思いますが、それだとこの職業の意味がなくなってしまうので…。私自身ようやく最近「僕の感覚を信じろ!」というエゴを出していけるようになりました (笑)。
こちらのホテルも同じで、ホテルキーを「カード」にすべきか「鍵」にすべきか、といったセキュリティやブランドに関わる部分も我々から提案しました。新宿御苑の方は、ブランディングを考えて古いホテルキーをイメージしたものを製作しましたが、渋谷は紛失した場合も考えて「カード」の方が良いのではないか等、建築以外のことを考える時間が多かったです。今後我々のような職業は、建築だけに留まらず、経営コンサルやブランディングといった領域にも展開していくんだろうなと思います。
―建築を超えた今後のご活躍を楽しみにしております!
本日は、お忙しい中インタビューさせていただきありがとうございました。
【取材の感想】
映画の世界に入ったような世界観で、わくわくするようなホテルでした。旅行の際には、是非実際に泊まってみたいです。取材にご協力いただいた半田様、ありがとうございました。
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今回取材させていただいたお客様
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株式会社デリシャスカンパニー東京都
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