《アクレッタ》開発秘話:これまでなかったスクエア形状のスロップシンク
今回は、2023年6月に発売して以来人気のスロップシンク《アクレッタ》の開発秘話をご紹介します。

コロナ禍のライフスタイルから生まれたスロップシンク
―どのような経緯で《アクレッタ》の開発が始まったのでしょうか。

企画開発課の小野
プロジェクトの始まりは、コロナ禍によって人々のライフスタイルが大きく変わったことにあります。アウトドアやガーデニングへの関心が高まり、同時に家の中にランドリールームを設置する方が増えていました。これらのトレンドから、スロップシンクの需要が今後増えるだろうと予測し、ミラタップ(旧サンワカンパニー)らしいデザインのスロップシンク開発に着手しました。

企画当初は台形の形状も検討されていた
―「アクレッタ」は、既存のスロップシンクとどのように異なるのでしょうか?
一番の違いは、デザインと素材感にあります。国内の市場には一般的に丸みを帯びたデザインのスロップシンクが主流ですが、スタイリッシュな海外製品は高価格帯でした。そこで、ミニマルでスクエア形状のスロップシンクが作れれば、市場に存在するスロップシンクと一線を画すと思い開発に至りました。衛生面でも優れた陶器を選定しながら、手に届きやすい価格とデザイン性の両立を目指しました。
―開発過程で特に苦労した点はありますか?
はい、試行錯誤を重ねました。陶器製のため、焼成時に収縮が起き、形が変わることが最大の課題でした。収縮を見越した製品型の作成が必要なため、焼き終えた時に四角くなるように収縮分を逆算して製造しています。
何度も焼いては調整を繰り返し、製造メーカーさんとの密な打ち合わせを重ね、知見を共有しながら開発を進めていきました。

スクエア形状にこだわった《アクレッタ》
―その努力が、アクレッタのデザインにどのように反映されているのでしょうか?
その一つが背面の壁固定形状です。ボウルから一段落とした形状にすることで、ボウルがあたかも浮いているようなデザインを実現しました。上から見ても四角、正面から見ても四角の徹底したスクエア形状を追求しています。
―デザイン以外の部分で気になる機能性についてはいかがでしょうか。
汚れ物を洗う上で、洗いやすさと排水面はとても大事です。
洗いやすさの面では、大きなバケツがすっぽり入るサイズで、洗い場の広さと深さを確保しています。汚れに強い陶器製なのでジャブジャブ洗っていただけます。

排水面では、お掃除口の付いたトラップを採用しています。万が一、砂などの詰まりが起きても、この口を開けて簡単に解消することができます。

お掃除口の付いたトラップ
どこを切り取っても美しいスロップシンク
―どこから見てもスタイリッシュですが、綿密なデザインの工夫があったのでしょうか。
そうですね。オーバーフロー※の穴の直径はシンクのサイズによって決まります。通常大きな穴1つにするケースが多いのですが、小さな穴3つにすることで旧社名サンワカンパニーのロゴの●●●丸3つを表現したデザインにしています。
また、先ほどお伝えした背面形状を一段低く設計していることにより、四角く見せるだけでなく、排水栓金具も後ろに隠せるため、使用していない時も美しくなります。
《アクレッタ》を企画する上で、壁付け水栓の見え方も非常にポイントになりました。
そのため、《アクレッタ》の開発と同時に水栓もスタイリッシュな一文字ハンドルにし、ミラタップ(旧サンワカンパニー)オリジナルとして製造をお願いしました。
特に汚れものを洗うのって億劫な気持ちになりがちですよね(笑)。
そんな時でも、スタイリッシュなスロップシンクで気分良く洗って、家事を楽しんでいただきたい想いもこめています。
※オーバーフロー:洗面ボウルに水を溜めた際、水が溢れないように排水する穴のこと。
(※水栓はオプションとなります。)

―開発者だからこそ言える、おすすめの空間や使い方があれば教えてください。
《アクレッタ》は、平面と直線で構成されたスタイリッシュなデザインなので、ミニマルデザインを好まれる方に特におすすめです。バルコニーや庭などの屋外で設置していただいたり、ランドリールームで汚れ物などの洗濯やキッチン横などの屋内に設置することもできるので自由度が高いです。幅広いインテリアに合うようにデザインされているのでお好みの場所で是非お使いください。
(※屋外設置で使用される場合、商品保証の対象外となります。)

―今までのスロップシンクにはなかったディテールのこだわりが素晴らしい商品ですね。今後も期待しています。
小野さん、ありがとうございました!
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