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《バルカ》買付秘話:バスルームに“非日常”を与える置き型バスタブ

今回は、当社で人気の置き型バスタブの中でもロングセラー商品である《バルカ》の買付秘話についてご紹介いたします。

《バルカ》

置き型バスタブ取り扱いのきっかけ

―日本の住宅では殆どがシステムバス(ユニットバス)ですが、当社は置き型バスタブの種類も豊富ですよね。いつから取り扱いが始まったのでしょうか?

購買課の八田

購買課の八田

当社のバスタブの取り扱いは2003年頃まで遡ります。EC販売ではなく物件依頼で置き型バスタブの要望があり、中国のメーカー複数社と商談を始めました。当時はバスタブの知識が無く製造方法もわからなかったので、商談してサンプルを取り寄せては検品…を繰り返していました。中国には欧米向けに置き型バスタブを作っている工場は沢山ありますが、品質が安定しているところを探すのが大変でした。16台輸入してまともなものは4台、脚の金属が腐食する…などの色々なトラブルを経て、やっと品質が安定している工場に出会いました。
EC販売を始めて間もないころで、商品のラインナップも増やしたいところだったので、2006年春に個人向けでも《オリジナルAI型(現在は販売終了)》と《ベビーバス(現在は販売終了)》を発売しました。

当時のカタログ

当時のカタログ

その後猫脚モデルの《クラシカルモデル(現在は販売終了)》など種類を増やしていき、2010年に発売したのが《バルカ》です。それまでは脚のあるクラシックなデザインが多かったので、脚のないシンプルでモダンなタイプも欲しいと思い採用しました。この辺りは当社オリジナルデザインではなく、メーカーが欧米向けに作っていたものを日本人向けにサイズを小さくしてもらっています。

猫脚バスタブを掲載していたカタログ

猫脚バスタブを掲載していたカタログ

小さくと言っても内寸は1300mm以上あるので、身長160cmくらいの女性であれば足を延ばしても少し余裕があるくらいの広さはあります。

女性が入った様子

女性が入った様子

―15年も前から販売している商品なのですね!発売当時の売れ行きはどうでしたか?

…殆ど売れていませんでした(笑)。1か月に1~2台売れるペースぐらいでしょうか。今なら廃番になっていたかもしれません。
そもそも日本の住宅は殆どがシステムバスで、単体浴槽の出荷は10%※もありません。
※キッチン・バス工業会自主出荷統計より

とてもニッチな市場ですが、他社では高級なヨーロッパ製バスタブを取り扱っているところが殆どだったので、他社で取り扱いのない商品を揃えるためにも種類を増やしていきました。2011年頃の後半から徐々にデザイナーズマンションやホテル案件で採用されるようになり、今では年間400台以上売れる人気商品になりました。
その後、2011年に《グルービーエイト》 、2012年に《コブロ(現在はコブロプラス )》と自社オリジナルデザインのバスタブも作るようになりました。バスタブはシンプルな形ですが、当社が取り扱っているような難しい形は手作業で手間をかけて作られています。

実は手作業!?のバスタブ製造

―そもそもアクリル製のバスタブはどのように作られているのでしょうか?

アクリル製のバスタブは、大きなアクリル板を熱で柔らかくし型で成形しています。中にFRP(ガラス繊維などをプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料のこと)をローラーで接着させ、補強板を入れます。そして上下を合体させて接合部分を研磨、塗装するという工程で作られています。FRP加工は大きな工場ではロボットが行っている場合もありますが、難しい形だと人間が手で仕上げています。FRPが上手く密着していないと表面に気泡が入って不具合の原因になります。

アクリル版を熱して型で成形する機械

アクリル版を熱して型で成形する機械

熱処理成形後のアクリル板(約5mm)

熱処理成形後のアクリル板(約5mm)

数人がかりでガラス繊維を塗る

数人がかりでガラス繊維を塗る

繊維を密着させた表面の様子

繊維を密着させた表面の様子

―パーツは上下別れているのですね!でも継ぎ目は全く見えないですね…

接合部分は研磨して塗装しているので表面からは全くわかりません。どこのアクリル製バスタブも基本的には同じような製法で作られています。

上下を合体させ不要な部分をカット

上下を合体させ不要な部分をカット

研磨する前の上下の接合部分

研磨する前の上下の接合部分

研磨と塗装後は接合部が全く見えません

研磨と塗装後は接合部が全く見えません

2021年に発売した《オフリーハイバック》 《オフリーピロー》も同じ工場で製造しています。特にピローは丸い膨らみを作るのが非常に難しい商品ですが、工場の技術と協力があってあのデザインを形にできています。

バスタブで実現できる私だけのバスルーム

―バルカはどのような空間におすすめの商品でしょうか?

シンプルでテイストを選ばない商品ですので、本当にどんな場所にもおすすめです。サイズも海外製品のように大きすぎないので、置き型バスタブにしたいけど、浴室のスペースを広く取れない場合でもお使いいただけます。お客様からも「シンプルで手ごろな価格でバランスが良い商品」とご好評をいただいております。
ガラスドア、タイル、大きなヘッド付きのシャワー水栓などと組み合わせて、在来工法でしかできないオリジナルのバスルームを作ってみてくださいね!

※在来工法:基礎の上に土台・柱・梁・筋交いなどで他の部屋と同じように浴室スペースを作り、周囲に防水加工を施す工法。

矢部達也建築設計事務所

矢部達也建築設計事務所

市井洋右建築研究所

市井洋右建築研究所

―今後もたくさんのお客様のバスルームで使っていただきたいですね。

 八田さん、ありがとうございました!

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