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《カーラ》開発秘話:薄くフラットな面で構成したスクエアフォルムの洗面ボウル

今回は、2017年に発売した洗面ボウル《カーラ》の開発秘話をご紹介します。当時企画・開発を担当した多田に開発秘話を聞きました。

《カーラ》

海外展示会でインスピレーション

―どのような経緯で《カーラ》の企画が始まったのでしょうか?

2016年に海外の展示会に訪れた際に、水栓メーカーの展示ブースで、真っ白な立方体を洗面ボウルに見立てて壁付けし、そこに水栓を展示していたのですが、その立方体のシャープなラインがカッコいいなと思ったのがきっかけでした。
日本に戻り本格的に企画を始めた際に、まず素材から検討しました。従来の陶器製ではシャープなラインを再現するのは難しいため、金属製を検討しました。

当時のラフスケッチ案

当時のラフスケッチ案

新しい生産技術の採用

―《カーラ》の特長を教えてください。

《カーラ》はステンレスを基材として、日本が誇る金属加工の板金・溶接技術を組み合わせることで、限りなく薄くフラットな面で魅せる美しさを表現することができました。また、陶器や人工大理石に比べると、軽量で高強度なのも特長です。
塗装には、高硬度・高耐候性に優れた無機+有機のハイブリッド塗装を採用しています。これはビルの外壁のカーテンウォールなど、年中強烈な日光や風雨にさらされる環境で使用されている塗装で、のちに発売した《センシー》《センシー洗面》でも採用しています。

―こだわりは何でしょうか?

洗面ボウルには、配管・水栓・排水目皿が必要となります。その中でも水栓は一番目に触れるものなので各社デザイン性に富んだアイテムを提供していますが、配管や目皿は機能重視のためどうしても存在がノイズとなってしまいます。
《カーラ》では目皿に蓋をして見えないようにしました。また、配管も見えにくいような構造にしました。

目皿には蓋を設置

目皿には蓋を設置。

配管が見えない構造の物置スペース

配管が見えない構造の物置スペース

目皿が見えない蓋つきの仕様は、《ラディ―75》《ボルデ》などで採用しています。これらは人工大理石の洗面ボウルですが、スチール製のボウルに採用したのは、《カーラ》が初めての取り組みでした。

スチール加工のしやすさや排水性の確保の観点から、目皿は奥に配置しました。蓋は安定性がありつつ、掃除の際の取り外しのしやすさも考えています。

排水口に水たまりができないよう排水口位置にこだわり

排水口に水たまりができないよう排水口位置にこだわり

―どんな方におすすめでしょうか?

《カーラ》は単なる洗面ボウルではなく、空間デザインの一部として新しい美しさと機能性を表現しました。シンプルでノイズレスなデザインを好まれる方におすすめですね。また、インダストリアルな空間に設置しても、そのコントラストが絶妙にマッチすると思います。

カーラ600ホワイト

《カーラ600ホワイト》 アーキラボ・ティアンドエム

カーラ400ホワイト

《カーラ400ホワイト》 井上久実設計室

企画開発課の多田

企画開発課の多田

《カーラ》のコンセプトをもとに、その後開発したのが、置き型ボウルの《アッセ》、手洗器の《プラティコ》です。水回りアイテムをこれらのアイテムでコーディネートしていただくと、空間全体の統一感が出るのではないでしょうか。

―《カーラ》がその後の商品開発に繋がっていったのですね。

 多田さん、ありがとうございました!

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