《フッカ》開発秘話:デザインと実用性を兼ね備えた、隙のない深型洗面ボウル
今回は、2021年5月に発売して以来人気の深型洗面ボウル《フッカ》の開発秘話をご紹介します。

世の中の需要が高まる中、オリジナルでミラタップ(旧サンワカンパニー)らしいミニマルデザインの深型洗面ボウルを追求
―どのような経緯で《フッカ》の開発が始まったのでしょうか。

企画開発課の鷲頭
ミラタップ(旧サンワカンパニー)で以前から販売していた深型の洗面ボウル《アルコ》の売上が好調の中、深型ボウルに対する市場の需要が高まっていました。ただ、アルコは輸入品であり、「もし自社でオリジナルの深型洗面ボウルを開発したらどういうボウルにするだろう?」と考え始めました。そこで、どこにも無いスリムデザインでありながら使い勝手の良いオリジナルの深型洗面ボウル《フッカ》の開発を進めることになりました。

企画当初は四隅が丸い形状も検討されていた
―開発を進める中で特に苦労した点はどんなところでしょうか。
海外メーカーとのやり取りですね。こちらの要望を海外のメーカー担当者に直接伝え、ずれが出ないよう商品を形にしていくことに苦労しました。
特にオーバーフロー機能※を備えるため、水漏れを防ぐような構造にできるのかは綿密に確認、連携を取りました。実際に、オーバーフローの中に樹脂のパイプを通すことで、品質を満たした上で、オーバーフローの形状にもこだわることができています。
※オーバーフロー:洗面ボウルに水を溜めた際、水が溢れないように排水する穴のこと。
―オーバーフローの穴の形状も横長で珍しい形ですね。
そうなんです。一般的に丸い形が多い中、実際に毎日使うことを考えたときに、丸型だと大きさが目立つ印象があったので、そこまで穴を目立たせたくないが、しっかりオーバーフローとして機能させたい・・・。
そんな想いで開発当初はスタートしましたが、初めの試作は穴が小さすぎて水が溢れてしまったり、地道に穴を削り検証を繰り返し、最終的に機能と意匠とを両立したサイズでこの形状にたどり着きました。

―デザインにおいて、こだわったポイントを教えてください。
《フッカ》のデザインで最も重視したのは、エッジのシャープさと薄さです。4mmの薄さと四隅の角をR2※にすることで、スタイリッシュながらも実用的なボウルを実現できました。この部分の精度を出すために、海外のメーカーと何度も調整を重ね、細部にわたるこだわりを形にしていきました。
※R2・・・角が半径2mmの丸みを帯びていること。

デザインと実用性。バランスのとれた総合力の高さが魅力
―《フッカ》の特長を教えてください。
最大の特長は、そのデザインと実用性の融合にあります。深型でありながら圧迫感がなく、洗面ボウルであり、スロップシンクの要素も持ち合わせています。また、一段下がった水栓位置で、水が奥に行かないように設計しており、オプションのウッドプレートの追加など、生活上のニーズに応える機能が盛り込まれています。実はこのウッドプレートにもこだわりがあり、《フッカ》のエッジ4mmとウッドプレートのフチの見付け4mmとを合わせています。薄すぎると木の場合、反りなどが出るため完全オリジナルで、《フッカ》に乗せたときに見えてくるフチ部分のみ極限まで薄く調整しています。どのパーツにおいても隙のない、総合力の高さを感じる深型洗面ボウルだと自信を持っています。
―開発者だからこそ言える、《フッカ》におすすめの空間や使い方があれば教えてください。
《フッカ》は、ミニマルデザインを好むユーザーに特におすすめです。深型でありながら、そのやぼったさを感じさせないスタイリッシュなデザインは、特にノイズを消したような空間やシャープな線で構成された空間におすすめです。
オプションのウッドプレートを使用すれば、つけ置き洗いの物を仮置きすることも可能で、実用性はさらに高まります。

―市場での反響はいかがですか?
《フッカ》は発売以来、特にW600サイズのホワイトが人気ですね。深型洗面ボウルとしてデザイン性の高さと実用性のバランスが良いことにあると思います。人工大理石ですので中性洗剤でのお手入れが可能です。また、価格の面でも手が出しやすいラインで抑えていて、多くのユーザーに受け入れられています。
―デザインと実用性のバランスがとても良い商品ですね。今後も期待しています。
鷲頭さんありがとうございました!
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