建材・住宅設備の通販ならミラタップ(旧サンワカンパニー) 開発者インタビュー

《グラッド45》開発秘話:当社を代表するオールステンレスキッチンはどのように生まれたのか

今回は、2013年の発売から当社を代表するシステムキッチン《グラッド45》の開発秘話をご紹介します。

グラッド45
インタビューした担当者
当時企画・開発を担当した大澤
当時企画・開発を担当した
大澤 康弘

「価格を抑えたステンレスキッチンを出そう」ということで始まった開発

―どのような経緯で《グラッド45》の企画が始まったのでしょうか。

企画が始まったのは2012年頃。当時、ミラタップ(旧サンワカンパニー)のシステムキッチンというと《プレーンKミディアム》《エレバート》《エレバートEX》や《コントルノ(廃番商品)》など、木製のシステムキッチンが多く、ステンレスのキッチンは無かったんですよね。《メタロ》《コンパクトキッチン430》など、ステンレス製のコンパクトキッチンは当時既に販売していたのですが、お客様から「ステンレス製のミドルキッチンはないのか」という要望が数多く上がっておりました。

他社でステンレス製のミドルキッチンは存在していましたが、高価だったため差別化を図り、「価格を抑えたステンレスキッチンを出そう」ということで、開発がスタートしました。

《グラッド45》のスケッチ

《グラッド45》のスケッチ

何とかしてステンレスキッチンで留めのデザインを

―開発を進める中で、どのような苦労がありましたか。

《グラッド45》はキャビネット部分が小口の見えない"留めのデザイン"になっています。当時のミラノサローネやイタリアで留めのデザインが非常に多く、トレンドということもあって、「何とかしてステンレスキッチンで留めのデザインを取り入れることはできないだろうか」というところから考えていきました。

小口の見えない「留め加工」のキャビネット

小口の見えない「留め加工」のキャビネット

―ステンレスで留め加工…、難しそうですね。

はい、木製キッチンであれば、木材を45度に切れば、きっちり精度のあるものができますが、ステンレスの場合は一枚の平板を曲げて45度にしなければいけません。しかも、45度に曲げたサイドパネルや扉など、それぞれを合わせたとき、角度が少しでもずれていると合わなくなるため、曲げの精度はかなり追求しました。
試作では、最初の数回は角度と留め部のシャープさがきっちり出ておらず、スッキリ表現できていませんでした。試作を重ね、やっと今の意匠になっています。

追求された曲げの技術が光る引出し

追求された曲げの技術が光る引出し

「いらないノイズは全部消す」こだわった留め加工

―そこまでして”留めのデザイン”にこだわったのですね。

留め加工にすると見えるラインが少なくなります。その辺は、当社のミニマリズムの精神「いらないノイズは全部消す」ということで、留め加工を取り入れたデザインになりました。
今では当社の多くの商品で留めのデザインを採用していますが、この《グラッド45》が始まりですね。

留め加工ではない《プレーンKミディアム》

(留め加工ではない《プレーンKミディアム》

留め加工の《グラッド45》

見えるラインが少なくスタイリッシュになる留め加工
(留め加工の《グラッド45》

―その他のこだわりも教えてください。

足元の入り巾木ですね。キャビネットよりも巾木がセットバックしています。ステンレスで大きな塊になるとすごく重たい印象になってしまうので、足元を凹ませることによって、軽さを表現したデザインにしました。

キャビネットよりもセットバックした巾木

キャビネットよりもセットバックした巾木

そして、シンクは角シンク。スタイリッシュなステンレスのキッチンに、ゆるい角の丸みはつけたくなかったので角シンクにしました。角シンクは職人が一枚の板を曲げて溶接して一つ一つ手作りしています。 このシンクは元々《エレバート》でも使っているので、同じものを《グラッド45》にも採用しました。

職人の技が光るスタイリッシュな角シンク

職人の技が光るスタイリッシュな角シンク

―ステンレスの仕上げは2種類あるのですね。

発売時は、ヘアラインのみの仕上げでした。バイブレーション仕上げという企画もあったのですが、コストパフォーマンスを出すため、まずヘアラインのみで発売しました。現在はオプションでバイブレーションも選べるようになっています。ヘアラインだと傷が気になるという方は、天板だけを傷が目立ちにくいバイブレーション仕上げにする場合も多いです。ぜひご検討ください。

ヘアライン

ヘアライン

バイブレーション

バイブレーション

―オールステンレスで留め加工を実現した経緯や、その他のこだわりも知ることができたインタビューでした。

 大澤さんありがとうございました!

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