《カクレール》開発秘話:「なぜ丸い必要があるのか?」スクエアデザインの握りやすさを極めた手すりの誕生秘話
今回は、2023年6月の発売から人気の手すり《カクレール》の開発秘話をご紹介します。

手すりは丸い形状じゃなくてもいいのでは・・・から生みだされた商品
―どのような経緯で《カクレール》の開発が始まったのでしょうか。

企画開発課の福永
手すりといえば「丸い形状」が当たり前、というのが認識されがちでした。しかし、「なぜ丸い必要があるのか?」とふとした疑問が私の発想の原点でした。この問いから、より洗練されたスクエア形状の手すりを提案したいという想いが生まれました。さらに、ただ四角いだけではなく、空間に溶け込みながら意匠性を引き立てるデザインとは何かを追求していきました。手すりは階段に必須のアイテムですが、「その存在感をいかに消すか」という逆転の発想が《カクレール》のコンセプトです。ミニマルなデザインと建築基準法を両立させることを目指し、試行錯誤を重ねた結果がこの商品です。
ブラケットは小さく、そしてフラットバーのみ浮かんでいる様にみせるには・・・を追求
―開発を進める中で、どのような点で苦労がありましたか?
「空間に溶け込む薄さ」と「安全性のための強度」を両立させることが最も大きな課題でした。手すりとしての機能性は絶対に譲れませんが、視覚的には主張を抑える必要がありました。そのため、支持ブラケットのサイズを可能な限り小さくしつつ、耐荷重性能を維持するためのデザインを模索しました。また、他社製品ではブラケットと手すりが異なる色というケースが多い中、「すべて同じ色で統一したらどうだろう?」というアイデアを試しました。この一体感のあるデザインが、《カクレール》の独自性をさらに引き立てています。

ブラケットも同色に
特に難しかった点を教えてください。
握りやすさと寸法設計には特にこだわりました。人体の寸法データベースを元に、日本人成人男女の90%以上が快適に使えるサイズ感を追求しました。細すぎると痛みを感じ、太すぎると握りづらい。その「ちょうどいい」を見つけるために、実際に手で握れるモックアップを作成し何度も試作しました。
また、手すりが壁に擦れないよう、壁との距離を計算しながら寸法を調整しました。「どんな空間にもフィットする美しいデザイン」と「確かな握り心地」の両立が、《カクレール》の最大の挑戦でした。

断面図

出代を最小限に抑えつつも、握りやすい形
開発者だからこそ言える、おすすめのポイントはありますか?
おすすめの設置場所はありますか?
おすすめなのは、ブラックを使ったインダストリアルな空間です。無骨なコンクリートや鉄素材との相性が抜群で、手すりが単なる「補助具」ではなく、空間のアクセントになるデザイン性を発揮します。個人的にはグレーも非常に気に入っています。落ち着いたトーンで控えめながらも存在感があり、ナチュラルな雰囲気の空間にも溶け込みやすいです。
また、狭小住宅やリビング階段で手すりの存在感を抑えたい時にもおすすめです。

最初に手掛けた《カクレール》への特別な思い
―カクレールは、機能性だけでなく空間全体の美しさを引き立てる手すりですね。こだわりが詰まった《カクレール》を、ぜひ手に取って、その良さを実感していただければと思います。
福永さん、ありがとうございました!
インタビューで紹介した商品はこちら
商品の詳細は、下記の商品ページからご覧ください。
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- カクレール
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¥16,000/セット~
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《カクレール》は、名前の通り「角」だけで構成されたミニマルな階段手すり。設置時の壁面からの出代はわずか54mm、ブラケットもシンプルデザインで見えにくいように配置しているため、空間へのノイズや圧迫感が最小限に抑えられます。
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- カーラ
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¥64,800/台~
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《カーラ》は日本が誇る金属加工の板金・溶接技術を巧みに組み合わせ、限りなく薄くフラットな面で構成した洗面ボウル。ステンレスを基材として、塗装には高硬度で耐汚染性・耐候性に優れた無機+有機のハイブリット塗料を採用しています。
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- アッセ
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¥41,300/台~
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洗面ボウルは、縁(ふち)の薄いものが近年のトレンド。《アッセ》では、人工大理石や陶器では表現できない薄いエッジラインを実現しました。
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- スクリブ
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¥950/個~
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「曲げ」の技術で生まれるやわらかなフォルムの洗面アクセサリー《スクリブ》。洗面や浴室まわりに統一感が生まれるバリエーションをご用意しています。