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《エルフォルム》開発秘話:機能美のハイバックカウンター洗面

今回は、2023年に発売した洗面台《エルフォルム》の開発秘話をご紹介します。当時企画・開発を担当した早藤に、開発秘話を聞きました。

《エルフォルム》

機能性と意匠性を諦めきれないお客様の声にお応えする商品開発

―どのような経緯で《エルフォルム》の企画が始まったのでしょうか?

企画がスタートしたのは2022年からです。当時は市場調査や商品の仕様をまとめる商品企画と、その仕様を製品に落とし込む商品開発が分業体制になっていて、私は商品開発を担当しました。
企画担当者曰く、最近の傾向としておしゃれな洗面空間にこだわる人の数が増加していて、自由度が高く自分好みの空間を実現できるカウンタータイプの洗面が人気とのことでした。一方、小さいお子さんがいらっしゃるご家庭では、水はねや汚れが気になるため、清掃性や使い勝手の良さを犠牲にしたくないという方が多く、泣く泣くデザイン性を諦める方もいらっしゃるようです。
そんな声にお応えするため、使い勝手を考えた機能美を追求しつつ、直線的でスタイリッシュなカウンター洗面を開発することになりました。

当時のデザイン案

当時のデザイン案

―《エルフォルム》の特徴は?

簡潔に言うと、直線だけで構成されたハイバック×カウンター洗面ですね。ハイバックにすることで壁への水はねを気にせず使え、人工大理石の一体成型なので隙間がなくお手入れも簡単です。また、バケツをゆったり置ける広くフラットなボウルは、排水溝を端に配置することで排水が邪魔されないため使い勝手もバツグンです。
さらにトレンドのカウンタータイプにすることで、洗面空間をグッとおしゃれにすることができます。

バケツを置いても安定して作業ができるフラットなボウル

バケツを置いても安定して作業ができるフラットなボウル

―壁付けのシャワー水栓も使い勝手よさそうですね。

企画当初はシャワー機能の無い意匠性の高い壁付け水栓も候補に挙がっていたのですが、おしゃれなシャワー付き水栓が見つかったのでこの仕様に一本化しました。引き出し式でホースが伸びるので、ボウルの掃除の際も隅々まで水が届きます。

隅々まで届く引き出し式の壁付けシャワー水栓

隅々まで届く引き出し式の壁付けシャワー水栓

使い勝手で言うと、W1200は2人が同時に使用することも考えて、ボウル位置をセンター/左/右の3タイプご用意しました。例えば朝の身支度ラッシュのタイミングには、一人は歯磨きを、もう一人は髪をセットすることもあると思います。その際にボウルが片方に寄っている方が使いやすいんですよね。当社で販売中の《フィオレット》も片寄せボウルの人気が高く、《エルフォルム》でも採用しました。

センターボウル

センターボウル

右ボウル

右ボウル

左ボウル

左ボウル

―こだわりを詰め込んでいますが、開発時に苦労したことはありましたか?

一番苦労したのは、抜き勾配ですね。人工大理石の製品は、材料を型に入れて成型します。型抜きの際に、スムーズに離型するため通常は4~5°の傾斜(抜き勾配)を付けます。

抜き勾配によりスムーズに離型できる

抜き勾配によりスムーズに離型できる

《エルフォルム》の場合、そのデザインの肝でもある直線と直角を実現するため、抜き勾配を1°に設定しました。《エルフォルム》ほど大きな商品で抜き勾配を1°にした前例がなかったので実現できるか不安でしたが、何度も図面を書き直しては企画担当と打ち合わせを重ね、ようやく納得いく設計ができ、その通りの試作品ができた時の肩の荷が下りた感覚は今でも覚えています。

当時開発を担当した早藤

当時開発を担当した早藤

また、ボウルの深さに対して天板の前垂れが浅いため、構造上、真正面から見るとボウルの底面が見えるデザインになっています。排水性を確保するためには水勾配と言って底面に角度をつける必要がありますが、水勾配を取ったボウル底面のラインと、水平な前垂れのラインが違和感なく調和して見えるよう、何度も水勾配の角度を調整しました。
腰をかがめて真正面から見る機会はあまり無いですが、気づきにくい部分にもこだわってデザインしています。

正面から見た時の美しさにもこだわった

正面から見た時の美しさにもこだわった

―ぜひこだわりのある方に使っていただいて、使い勝手の良さを実感していただきたいですね。

 早藤さんありがとうございました!

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