《ミニマルプラス》開発秘話:究極のシンプルデザインを実現した超小型なレンジフード
今回は、ミラタップ(旧サンワカンパニー)を代表するアイテムの1つでもある《ミニマルプラス》の 開発秘話についてご紹介いたします。


“ミニマル”なレンジフードができるまで
―当社のデザインコンセプトは「ミニマリズム」ですが、まさにその通りのデザインですよね。開発までの経緯を教えてください。
《ミニマルプラス》は何度かリニューアルをして今の形になりました。前身は2007年の秋に発売した《ミニマル》です。当時ミラタップ(旧サンワカンパニー)で、オリジナルコンパクトキッチンの販売を始めたこともあり、”コンパクトキッチンに合う必要最小限(MINIMAL)のレンジフード”をコンセプトに開発しました。発売してすぐ人気が出て、当時は生産が追いつかないほどでした。
当時私は見積対応もしていましたが、毎日問い合わせがものすごくあったことを覚えています。

発売当時のカタログイメージ。何故か博多弁です。

発売当時はW450×H400とW450×H600のホワイトのみ
―開発で重要視した点を教えてください。
開発する上で重要なポイントは以下の2つでした。
【1】なるべくお求めやすい価格にするため、必要最低限の機能は残し余計なものは全てそぎ落とす。
【2】日本で一番小さな※レンジフードを作る。
※当時のミラタップ(旧サンワカンパニー)自社調べ
まず【1】ですが、当時のミラタップ(旧サンワカンパニー)ではとにかく”お客様がお求めやすい価格”へのこだわりがありました。なるべく販売価格を抑えるため、塗料、シロッコファン、フィルターなどは製造元のメーカーが元々持っていたパーツを使うことにしました。シロッコファンも横向きだと作りたいサイズに収まらなかったので、縦向きに設置しました。今だと専用のファンを作ってもらうかもしれませんが、コストも上がり開発納期もかかりますので、「パーツを新しく作ろう」という考えにはなりませんでした。そんな徹底的なコスト削減により、当時の販売価格はW450×H400が28,800円です。
また、「レンジフードの照明って頻繁に使うの?」と思い、照明も省きました。照明を無くすことより、さらにリーズナブルな価格に設定できました。照明が無い分、吸気スペースを広く取る事ができ、風量に余裕が出ます。ちなみに《ミニマルプラス》はBL基準※の3型に相当する風量の試験結果が出ております。“小さいけど力持ち”って感じですね!
※BL基準…財団法人ベターリビングによって品質や性能などが優良、適切であると認定された住宅部品を「BL認定品」といい、その認定基準のこと。認定されるとBLマークの表示を許可される。

中を覗くとシロッコファンが縦向きに収まっています。
そして当時は「操作ボタンは切・弱・強の3つしか無いから3日も使えば覚えるよね!」という事でボタンの操作盤も省き、ここでもコストダウンを試みました。その後リニューアル時にシンプルなピクトグラムに変わりました。それまでクレームはありませんでした。

(リニューアル前のボタン)
印字忘れではありません!

(現在のボタン)
切・弱・強を表すピクトグラム
そして、【2】については、当時の他メーカーのレンジフードのサイズを調べ、W450×H400×D400mmという極小サイズを設定しました。もちろん、サイズが小さくなっても性能は落とせません。レンジフードとしての機能を維持できる最小サイズです。小さくても必要なところにはもちろん拘っていて、フィルターには油垂れを防ぐバーリング加工と、油汚れが簡単に落ち清掃性にも優れたオイルガード塗装も施しています
バリエーションを増やしてさらに使いやすく
―価格とサイズへのこだわりが、他にはないシンプルな見た目へ繋がっているのですね。現在はカラーやサイズのバリエーションも増えましたよね。
はい。翌年の2008年春にはW600mm、ステンレス、アイランドパネルを追加し、2010年の秋には集煙板付タイプ、さらに、2013年にはブラックと梁欠きタイプ《ミニマルスリム》を発売しました。

集煙板付タイプ

ブラック
そして、2018年にリニューアルをしたのが現在の《ミニマルプラス》です。集煙効果をより高めるため、集煙プレートを付けたデザインに変わり、塗装もオリジナルカラーのマット塗装にすることで、より上品な印象になりました。この頃にはエルボなどもメーカー品ではなく、当社オリジナルカラーを作れるようになりました。
集煙板は以前のものより薄くして、本体との一体感が出るデザインに変更しました。

薄さ20mmの集煙プレート
また、以前はアイランドパネルや横幕板などは全てバラ売りで、お客様に選んでいただく形だったのですが、現在はある程度セットになっていたり、買い忘れ商品として設定したりと販売側での工夫もしています。昔は「このように使いたいけど、どのパーツを組み合わせて良いかわからない。」という問い合わせも沢山受けましたが、そこも解消出来ました。
ミラタップのものづくり精神
―発売から15年以上経つ人気商品ですが、さまざまな仕様追加やリニューアルを経て今の形があるのですね。
そうですね。昔からのお得意先様は、“ミラタップ(旧サンワカンパニー)=ミニマルレンジフード”のイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
ミラタップ(旧サンワカンパニー)のものづくりはベースに“MINIMAL(ミニマリズム)”という考え方があります。決して「色々削って安くする」というものではなく、「必要最小限のものだけを残すためノイズとなる要素をできる限りそぎ落とし、余計な機能は付けない」というものです。
その代表商品の1つでもある《ミニマルプラス》も、シンプルなデザインでありながら機能も兼ね備えた当社自慢のオリジナル商品です。もちろんメイド・イン・ジャパンですから、品質は折り紙つきです。
これからも《ミニマルプラス》をよろしくお願いいたします。
―これからも20年、30年と当社の代表商品の1つとして皆様にお届けしたいですね。
室田さんありがとうございました!
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