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《Tエッジ》買付秘話:イタリアのトレンドカラー洗面ボウルを日本で発売するまで

今回は、海外ならではのお洒落なカラーと使いやすさが人気の《Tエッジ》シリーズの買付秘話と、そのメーカーでもあるイタリアのGLOBO社についてご紹介いたします。

Tエッジ

《Tエッジ》洗面ボウル

Tエッジシリーズの前身《カラーズ》との出会い

―《Tエッジ》を取り扱うきっかけを教えてください。

当時買付を担当した池永

当時買付を担当した池永

《Tエッジ》買付の根源は2015年の4月から販売を開始した《カラーズ(現在は販売終了)》までさかのぼります。2012年くらいからイタリアではカラー洗面ボウルが流行し始めていました。「これはチェックしないと」と思いながら様子を見ていましたが、2014年のイタリアの展示会”チェルサイエ”ではさらに市場が拡大し、多くのメーカーでカラー洗面ボウルを発表していました。ブースのイタリア人スタッフはこんな風に話していました。「バスルームの洗面は白って誰が決めたの?選択肢はこの時代には沢山あるのだから、もっと楽しんだ方が良いじゃない。」

日本でもカラー洗面ボウルは見たことがありましたが、光沢のある黒やワイン色などラグジュアリー感を重視したデザインが多く、重い感じがして住宅には馴染まないと思っていました。

しかし、イタリアで《カラーズ》を見た時、この色、デザイン、仕上げが今までに無かったもので、ぜひ買い付けたいと思いました。当時一緒に出張していた上司と「売価で3万9千円なら売れるかも」という話をしていましたが、メーカーにはなんと8万円と言われてしまいました(笑)。

展示会のブース

展示会のブース

《カラーズ》展示の様子

《カラーズ》展示の様子

「そんな価格では絶対に売れない…」と思いその場は諦め、その日は他のブースでタイルや洗面ボウルを見て終わりました。展示会2日目、他のブースを見ていてもあのカラー洗面ボウルが忘れられず、朝、夕と2回見に行きました。やはり価格が高いのがネックでしたが、3日目、4日目と毎日見に行きメーカー側にも「また来たのか!」と言われてしまいました(笑)

展示会最終日、「私たちはイタリアまで来てこんなにいいものがあるのに、手ぶらで帰る訳には行かない!」と思い、日本に帰る直前にもう1度だけ見に行きました。メーカーに「他のカラー洗面ボウルの中で1番良かったので毎日見に来た。このデザインで夢のような価格だったら日本で絶対に売れる!」と言うと、「毎日こんなに来てくれる人はいない。そんなに好きならその価格で売るよ。」と言ってもらえました。注文ロットもかなり多かったのですが、上司が「僕が責任を持つから良いよ!」と言ってくれて商談成立となりました。その一言が無ければ決められなかったし、私もすごく売りたい商品だったので嬉しかったですね。

―池永さんの情熱が伝わったのですね!採用色はどのように決めたのですか?

カラー洗面ボウル

ブースに通っている内に、自分の中では決まっていました。洗面空間に置いても違和感のない植栽をイメージさせる”グリーン”、日本の住宅に馴染みのある“セメント色”、自然を想像させる”土色”、アクセントになる綺麗なカラーの”パープル”を選びました。

―売れ行きはどうでしたか?

目新し過ぎてすぐには売れませんでした。ショールームでもお客様の目には留まるけど、中々受注には至らず、他社の輸入メーカーの担当者にも「日本で売るのは早すぎたのでは?」と言われました。それでも欧州ではカラー洗面ボウルのバリエーションが拡大して行き、日本でも次第に売れるようになりました。

―《Tエッジ》の販売を開始したのはいつからですか?

2017年7月からです。カラーズが売れてきてカラー洗面ボウルは当たり前になってきていたので、バリエーションを増やすために縁の薄いモダンなデザインを採用しました。《カラーズ》はΦ350mmの小ぶりでしたが、《Tエッジ》はW540mmもあるので、洗顔も出来る使いやすい形のカラーボウルとして人気になりました。その後2020年より大理石調の《ル ピエトラ》も追加して、さらに豊富なカラー展開となりました。

発売当時のカラー

発売当時のカラー

《カラーズ》と《Tエッジ》のカラー商品が販売終了

―販売を終了したのは何故ですか?

2019年頃にメーカーから廃番の知らせを受けました。《カラーズ》と共に《Tエッジ》の白黒以外も廃番になりました。理由はデザイナーの意向でカラー展開を変更するのと、GLOBO社の新技術である「CERASLIDE※」「BATAFORM※」で商品を作り替えるからということでした。他にカラー洗面ボウルの代替品が無く困りました。

CERASLIDE…洗面ボウルの焼成過程で多孔性を減少させ、ボウル表面に水が滞留することを防ぎ、汚れにくさや耐摩耗性を高める製造技術。

BATAFORM…釉薬の美しさを保ち、銀イオンの力でバクテリアの増殖を抑制する処理。

カラーと仕様をリニューアルして《Tエッジ》を再販売

―新色は6色ですね。採用色はどのように決めましたか?

カラー採用の仕組みは《カラーズ》と同じです。空間に馴染むセメント色の“アガタ”、水をイメージさせる“ブルッテ”、土をイメージさせる“カスタンゴ”と“マットーネ”、植栽をイメージさせる“フェルチェ”、黒は既にあるので外し、グレーがかった薄い墨のような“スモーク”を採用しました。どれも日本ではあまり見ないカラーですが、きちんと日本の住宅に馴染むカラーをセレクトしています。

Tエッジのカラーバリエーション

―カラー洗面ボウルは既に定番品になったイメージがありますね。

そうですね。10年経ち時代も追いつき、日本でも定番です。国内のどこのメーカーでも売っていますし。最初は「カラーボウルなんて」と言われましたが、やはり必要だったと思います。最近はSNSがあるので、一般のお客様も海外の情報を仕入れるのが早く、トレンドに敏感ですしね。

海外のメーカーはカタログや商品の色の出し方などにもすごく情熱を持っていてプロモーションも上手です。GLOBO社もその1社で、ミラノにショールームを構える一流ブランドです。皆さんも、イタリアに行く機会があった際は訪れてみてくださいね。

GLOBO社のミラノショールーム

GLOBO社のミラノショールーム

館内の様子

館内の様子

当時買付を担当した池永

―当社らしい商品と適正価格を守ることへの情熱を感じたインタビューでした。

 池永さんありがとうございました。

インタビューで紹介した商品はこちら

商品の詳細は、下記の商品ページからご覧ください。