建材・住宅設備の通販ならミラタップ(旧サンワカンパニー) 開発者インタビュー

《エレガンス》買付秘話:洗面ボウル売上ランキング1位のエレガンスシリーズを日本で発売するまで

今回は、ミラタップ(旧サンワカンパニー)の洗面ボウルの中でも常に売り上げ上位を誇る《エレガンス》シリーズの買付秘話と、そのメーカーでもあるイタリアのAZZURRA社との出会いについてご紹介いたします。

エレガンス

《エレガンス》洗面ボウル

AZZURRA社との出会い

―エレガンスシリーズを取り扱うきっかけを教えてください。

当時買付を担当した池永

当時買付を担当した池永

エレガンスシリーズは2016年10月より販売を開始しました。出会いは2013年のイタリアの展示会です。今の《エレガンスサークル》のプロトタイプを展示していました。AZZURRAというメーカーは知っていましたがまだ当社では取引がなく、プロトタイプを見て「良い商品があるな」と印象に残ったのを覚えています。また、翌年2014年のイタリアの展示会に行った際、前回見たプロトタイプが新商品として綺麗にスタイリングし展示されていました。当時まだ少なかった黒い水栓と黒い目皿で、「スタイリングも上手なブランドだな」と思いました。同じく2014年のドイツの展示会に行く機会がありブースを出すと聞いたので、他のメーカーにもない商品であれば取引したいと思い、見に行きました

黒い水栓と目皿でコーディネート

黒い水栓と目皿でコーディネート

展示会のブース

展示会のブース

メーカーとの商談の様子

メーカーとの商談の様子

プロトタイプの時はスクエア型の洗面ボウルはありませんでしたが、その展示会ではスクエア型があったので「ナイス!!!!!」と思いすぐに発注を決めました。当社の説明をすると「ぜひ取引したい!」と言っていただけました。担当者がとても情熱のある方で、その後発売するまでにさまざまな問題がありましたが、彼のおかげで発売出来た部分も大きいと思います。

縁の細いミニマルデザインの洗面ボウル

―エレガンスシリーズの採用を決めたポイントを教えてください。

展示会のパネルでは”ボウルの縁が従来品は30mmだけど3mmに出来る”と大きく謳っていました。ここまで薄くこの値段のものは他社にもなく、イタリアの既存取引メーカーでも作っていませんでした。

AZZURRA社は社外のさまざまなデザイナーとコラボして商品を作っていますが、エレガンスシリーズは社内のスタッフがデザインしています。コンセプトを聞くと「今までは縁が太い洗面ボウルしか作れなかったが、製造技術が追い付いてきたので縁の細いミニマルなものを作ってみたいと思った。さらに、オブジェのように見えるシンプルなものを作りたかった。オーバーフローの穴があったらオブジェのようには見えない。それに僕達は水も溜めない。不要なものを全て取ったらこの形になった。」と言っていました。私が求めていたデザインとの答え合わせが出来て、とてもすっきりしたのを覚えています。しかもこのデザインを社内のデザイナーが作ったという部分も、人任せにしない彼らのこだわりを感じました。

海外の洗面ボウルはオーバーフローの穴がある商品が多いのですが、穴のないこのエレガンスシリーズはメーカーの中でも一番売れているそうです。

また、当時AZZURRA社の商品は日本では取り扱いが無いという点も私にとっては利点でした。

縁の薄さをアピールしたパネル

縁の薄さをアピールしたパネル

他メーカーの商品と比べるとこんなに違う

他メーカーの商品と比べるとこんなに違う

オーバーフローの穴の有無で見た目も変わる

オーバーフローの穴の有無で見た目も変わる

年月を経て厳しい品質試験をクリアした洗面ボウル

―発売までに苦労した点を教えてください。

2015年に買い付けてから品質の試験をすることになりました。ドイツの展示会で品質、梱包などの要望は伝えていましたが、貫入(釉薬がヒビのような状態になって固まる現象)の試験で3回落ちました。試験方法は企業秘密ですが、相当酷使する環境で試験を行っているので、試験をクリアした今の商品は貫入クレームゼロが自慢です。その他にも梱包などの品質改善もあり、発売までに1年半くらいかかっています。通常であれば1年以内で発売できるので、倍くらいの時間がかかっていますね。

やっと発売!しかし…

―新しいメーカーの商品を取り扱う時は大変なのですね…発売後の売れ行きはどうでしたか?

絶対に売れると見越して多めに発注していましたが、最初は全く売れませんでした(笑)。海外の新しいデザインはどうしても売れるまでに時間がかかるので、もしすぐに廃番にしていたら今の人気は無かったですね。その後、ホームページなどでアピールしている内に段々人気が出てきました。スリムなエッジの丸いボウルは他社にもありましたが、スクエア型は型から抜くのが難しいので国内でもあまり取り扱いがありませんでした。諦めずに売り続けていたら、時代が追い付いてくれたのかもしれませんね。

また、通常は取引開始後に追加オーダーが無いと信用を失いますが、AZZURRA社の担当者にまめに連絡を取り理由を説明していました。担当者の真摯な対応に助けられていました。

日本用に小さな洗面ボウルの開発を

―エレガンススクエア35とマットブラックは後から追加されましたよね。

はい。エレガンスシリーズが売れてくると、社内でオーバーフロー無しの小さいサイズが欲しいと要望がありました。当時メーカーで小さいサイズの取り扱いはありませんでしたが、当社で販売している小さめの洗面ボウルが売れていたので、年間の販売台数などを説明し、3Dでプロトタイプを作ってもらえることになりました。その後、何度かの試作と試験を経て出来たのが、2020年より販売しているW350mmの《エレガンススクエア35》です。当社のために作ってもらいましたが、今ではメーカーの標準品になりました。

黒色は他のデザインで製造されていたので「エレガンススクエアの黒が欲しい」と頼むと「釉薬を変えるだけなので簡単に出来るよ。」と言っていただきました。そこでマットな黒をオーダーし購入することになりました。W350mmもマットブラックも当社の洗面ボウルの中でベスト10に入る人気商品になりました。

小さなサイズはセカンド洗面にも

小さなサイズはセカンド洗面にも

エレガンススクエア35 マットブラック

エレガンススクエア35 マットブラック

イタリアのモノづくり精神

―外国のメーカーと商談することは想像以上に大変そうですね。

私が当社に入社したのは20代半ば頃で、創業者の社長と一緒にヨーロッパへ買付に行っていました。その時言われたのは「笑うときは笑って良いけど、商談の時は絶対にニコニコもムスッともしないで普通の顔をしていなさい。」ということです。商談相手も年上の男性が多いので、フェアな立場でいるためにずっと気を付けていました。

イタリアの洗面ボウルメーカーは家族経営の小さな工場も多いです。AZZURRA社もチヴィタという地方のメーカーですが、陶器ばかり作っているプロフェッショナル集団です。彼らは「素材やカラー、パーツへのこだわりは妥協しません。感性は一朝一夕で磨けるものではありません。いくら努力しても、商品への情熱がないと良い商品は作れません。」と言っておられました。海外のメーカーとの商談は大変ですが、彼らの最新技術や情熱を感じられ、いつも刺激を貰っています。

今後もそんな商品を日本のお客様に届けたいですね。

当時買付を担当した池永

―海外の新規メーカーとの取引の大変さを知ることの出来たインタビューでした。

 池永さんありがとうございました。

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