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《テオレマスリムリム》買付秘話:ミラタップ(旧サンワカンパニー)と共に歩んできた洗面ボウルメーカーSCARABEO(スカラベオ)

今回は、ミラタップ(旧サンワカンパニー)でも人気の高い洗面ボウル《テオレマスリムリム》《グラム》を生み出した、イタリアの洗面ボウルメーカーSCARABEO(スカラベオ)社との出会いや買付秘話についてご紹介いたします。

《テオレマスリムリム》《グラム》

SCARABEO社との出会い

―SCARABEO社の洗面ボウルを取り扱うことになったきっかけを教えてください。

当時買付を担当した池永

当時買付を担当した池永

2007年のイタリアの展示会“CERSAIE(チェルサイエ)”です。展示会場にショールームのようなブースがあり、クラブのような派手な照明と音楽がかかっていて、「何だこれ!!??」と入ったのがきっかけです。最初は何を売っているのか分からず入りましたが、洗面ボウルのメーカーでした。

※CERSAIE(チェルサイエ)…毎年秋にイタリアのボローニャで開催される世界最大規模のセラミックタイルと水まわり(キッチン、トイレ、浴室など)の国際見本市

展示会のブース 

展示会のブース 

ブースで遊ぶメーカー担当者のお子さんは現在大学生だそう

ブースで遊ぶメーカー担当者のお子さんは現在大学生だそう

当時、HATRIA(ハトリア)というイタリアの洗面ボウルを取り扱っていましたが、違うブランドも取り扱いたいと考えている時でした。SCARABEO社の商品を見ると、日本にはないようなデザインばかりで驚きました。今でも販売している《モアイ71》や、《プラネット(現在は販売終了)》など丸くてコロンとしたデザインが印象的で、商談することになりました。

(左)《モアイ71》(右)《プラネット》

(左)《モアイ71》(右)《プラネット》

商談してくれたのは、創業者の息子さんで当時の輸出担当マネージャーでした。現在は二代目CEOです。既に販売していた他社の洗面ボウルと同価格帯で販売できそうということも分かり、展示会の間に早速話を詰めました。図面やサンプル、発注ロットなど詳細な内容を決めるための情報を依頼しました。

日本で発売するまでの道のり

―発売までに苦労した点を教えてください。

SCARABEO社は2024年で創業50年ですが、当時はまだ会社の体制があまり整っていませんでした。詳細な図面もなかったです(笑)。一番苦労したのは梱包です。向こうは海外の個別発送に対応していないので、そのままの梱包では破損してしまいます。最初は先方に考えて貰いましたがダメだったので、箱を二重にしたり、発砲スチロールを四隅に入れたりと、こちらから梱包形態を細かく指示しました。とにかく何を要望しても「できるよ!」とあっさり答え、本当に積極的に対応してもらいました。

改善した梱包 二重梱包で箱のすき間を作らないように発砲スチロールを入れている

改善した梱包 二重梱包で箱のすき間を作らないように発砲スチロールを入れている

その後も、「水栓穴が小さい」「違う商品が入っている」「付属品が入っていない」など色々とありましたね…。水栓穴に関してはかなり戦いましたが、メーカーにとっては不良品ではありません。日本と海外の常識は違う時がありますから…。輸入品は日本に入荷後、当社の倉庫で全量検品しているので、穴が小さいものは単水栓用、大きいものは混合水栓用と分けて販売していた時期もありました。

しかし先方はクレーム自体にすごく前向きに取り組んでくれて、改善を何度も繰り返し今の状態があります。私たちも色々な悩みを相談しましたし、先方も悩みに対して出来る限りの対応をしてくれました。SCARABEO社も現在は大きな会社に成長していますが、真摯な姿勢と迅速な対応が会社を伸ばしているのだと思います。

洗面ボウルの水栓穴が小さくて水栓の取付径が合わないことも

洗面ボウルの水栓穴が小さくて水栓の取付径が合わないことも

―15年以上も前からのお付き合いなのですね。たくさんの取扱商品の中でも印象に残っているものはありますか?

たくさんありますが1つは《テオレマ30》です。取引当初から販売していて、今も売れ筋の人気商品です。当時の販売価格は24,800円でしたが、無駄を省いたとにかく使いやすいデザインで、イタリア製でこの価格というのは当時日本ではどこにもありませんでした。 

《アルコ》も印象に残っています。ヨーロッパは土足文化なので、洗面ボウルは浅型が多いですが、日本のお客様からは水はねを極力抑えるため深型の要望が多く、SCARABEO社にも打合せの度に深型を要望していました。それを社内でまとめてくれ、デザイナーのジョバンナ・タロッチ氏と作っていただいた商品が《アルコ》です。タロッチ氏は日本のプロダクトデザイナーとも親交が深く、日本に愛着を持ってくださっていたんだなと思い出に残っています。

― 現在の人気商品《テオレマスリムリム》《グラム》のは何故セレクトされたのでしょうか?

《テオレマスリムリム》は2017年に発売しました。取引当時から販売しているロングセラー商品“テオレマシリーズ”の進化版です。数年前から縁が薄いデザインが流行していますが、そのトレンドに対応したものです。縁の厚いクラシックなデザインが好きな方もいるので、現在は両方扱って選べるようにしています。

《グラム》は2019年ごろのISHで買い付けました。元々探していたデザインではありませんでしたが、メーカーやデザイナーとの井戸端会議で「新作だけど建築家からの評判が良いから一度検討しては?」とおすすめされました。価格がお手頃でかわいいデザインだったので採用したら、あっという間に売れ筋商品になりました。このような立ち話からヒット作が生まれることも多いです (笑)。海外のメーカーはとにかく建築家と話す機会が多いようで、現地に行かないと知ることのできない情報はとても多く、展示会やミーティングは本当に大事に思っています。

※ISH…ドイツで開催される世界最大規模の国際見本市

ミラタップ(旧サンワカンパニー)と共に成長してきた洗面ボウルメーカー

―長いお付き合いの中で、当社と一緒に成長してきたことが分かりますね。

そうですね。「ミラタップ(旧サンワカンパニー)のショールームに行けばお洒落な洗面ボウルがたくさんある」と思われるようになったことに貢献してくださった会社の1つですね。SCARABEO社も現在は一流メーカーのOEMをされていたり、日本のホテルに採用されたりと品質も安定しています。

2020年にはミラノのモスコバ駅付近にショールームもオープンしました。ミラノにショールームを持つことは彼らの長年の夢で、長期間準備してきただけあって立地も最高です。いつも展示に使われている水栓メーカーやバスメーカーと共同で出店しています。ぜひ現地に行って、本番の空気感やブランドの力を体感してくださいね。

今後も信頼できるメーカーと二人三脚で商品をお届けしてまいります。

ミラノにあるショールームSOLFERINO

ミラノにあるショールームSOLFERINO

当時買付を担当した池永

―改めて、当社は素敵な取引先や担当者に恵まれて、良い商品を販売できていると感じました。

 池永さんありがとうございました!

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