注文住宅完成までの流れ|契約前の情報収集からローン申請、入居まで
注文住宅にしようと思った時、どのような準備や手続きが必要なのでしょうか。ここでは、注文住宅の契約前の情報収集から、暮らし始めるまでの大まかな流れをご紹介していきます。
注文住宅は、住まいを自分で設計できる自由度の高さが魅力です。その一方で、建売住宅と比べて入居までに多くの時間と手間がかかります。完成後の理想の住まいを思い浮かべながら、最後まで一つひとつ取り組んでいきましょう。
注文住宅完成までの流れ【情報収集~契約前】

まずは理想の注文住宅の条件を決めるとともに、実現するための資金計画を立て、施工を依頼する業者を選定しましょう。 計画から契約直前までの流れをご確認ください。
STEP1:住みたい家の条件設定、資金計画の立案
注文住宅を建てるときは、最初に住みたい家の条件設定を行います。マイホームを建てるエリアに具体的な希望があればリストアップしましょう。
特にない場合は、職場や通学に使う最寄り駅までのアクセス方法、学校や病院との距離、買い物をする場所などの条件から、希望に合致する地域を探します。
また、家族の人数から家の広さも検討してください。 将来的に子供が増える、両親と同居するなど可能な限りの生活イメージをしておくことがおすすめです。
次に、注文住宅を建てるための資金計画を立案します。 予算は貯蓄から入居費用や生活費を差し引いたうえで余裕をもって決めることが大切です。
住宅ローンの借り入れをする場合は、毎月の家計に合わせて返済額を決めます。 家賃のほかに固定資産税の支払いや、車の購入、 子どもの養育費なども含め、無理のない計画にしましょう。
STEP2:土地探し
すでに確保している土地がある方は、このSTEPは必要ありません。
希望のエリアや予算に合わせて土地探しを行います。土地探しは不動産会社を介して行うのが一般的です。
初めに設定した条件を業者に伝え、理想に近い土地を提案してもらいましょう。土地探しが長引くのを防ぐために、期限を決めておくと安心です。
このとき、希望や条件をすべて満たした土地が見つかるとは限りません。 多少条件に合わない部分があっても、優先度の高い条件に合致する土地ならば、候補に入れておくことをおすすめします。
最終的に、候補を比較検討して絞り込みます。
STEP3:設計事務所、工務店、ハウスメーカーなど施工会社の選定
土地が確保できたら、次は施工会社を選びます。施工会社には、主に設計事務所・工務店・ハウスメーカーなどの選択肢があります。
設計事務所は、施主の希望に合わせたデザイン性の高い注文住宅を得意としているのが特徴です。
工務店は地域に根ざした施工会社で、個々の要望にも対応してもらいやすいといえます。
大手ハウスメーカーは安定したクオリティが期待できるのがメリットでしょう。
これらの特徴を踏まえたうえで施工会社を絞り込みます。絞り込む際には、相見積もりを取って適正な金額を把握しておくことが大切です。
STEP4:敷地調査
選定した施工会社に敷地調査を行ってもらいます。 敷地調査は土地に関する様々な条件を確認する調査です。
形状や広さ、周辺環境の調査、その土地に建てられる建物についての法規制などを確認します。
注文住宅完成までの流れ【契約~着工前】

注文住宅の施工会社と契約を結んでから、着工までの流れをご紹介します。 施工会社との打ち合わせを十分に行い、完成した住まいを具体的にイメージする段階です。
STEP1:土地の購入契約、地盤調査
土地の売り主と購入契約を結びます。購入の意思が決まったら買い付け証明を提出し、契約後に引き渡しという流れです。
契約時に、土地にまつわる情報が記載された重要事項説明書を改めて確認し、内容に気になる点があれば売り主との最終チェックを行いましょう。
問題なく契約を結んだら、土地の引き渡しへと移ります。 地盤調査では、土地の強度や周辺の環境を調査します。場合によっては、追加で地盤改良工事が発生する可能性もあります。
STEP2:間取り、設備に関して施工会社と相談
いよいよ施工会社との打ち合わせが始まります。この段階での打ち合わせは5~10回行われます。注文住宅の間取りや設備、スケジュールについて、一つひとつ具体的に決めていきましょう。
予算内で施工できる内容に留めるとともに、本当に必要なものを見極める判断が大切です。
STEP3:施工会社と建築請負契約、ローンの事前審査
注文住宅の設計が固まったら、施工会社と建築請負契約を結びます。建築請負契約とは、施工会社の仕事に対して報酬を支払う約束をする契約のことです。
トラブルを防ぐために、住まいの間取りや仕様は契約締結前までに必ず決めておきましょう。 このタイミングで、住宅ローンの事前審査の申請を行います。
住宅ローンは銀行などの民間金融機関か、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携している「フラット35」などを比較して検討してください。
STEP4:建築確認申請
自治体へ建築確認申請をします。建築基準法に適合した工事を行うために、着工前と完成後に民間の検査機関による調査が行われます。
着工前の調査に問題がなければ建築確認済証という書類が交付されます。建築確認済証は住宅ローンの審査で必要な書類です。
STEP5:住宅ローンの本審査
住宅ローンの事前審査に通過したら、その後は本審査へと進みます。
本審査は、契約前の最終的な審査です。完済時の年齢、本人の年収や健康状態などを含め、事前審査よりもより詳細な審査が行われます。
本人確認書類や物件の資料など、必要書類を揃えて準備しましょう。結果が出るまでの目安は1~3週間程度です。
注文住宅完成までの流れ【着工~入居】

最後に、注文住宅の着工から完成までの流れをお伝えします。家づくりの最終段階に必要な手続きや確認事項について、引き続きチェックしましょう。
STEP1:地鎮祭~着工
着工前に地鎮祭(じちんさい)の儀式が行われます。儀式では、神様に土地を使う許しを請い、安全に工事が完了するよう祈りを捧げます。
一般的には神式に則り行われますが、ほかの宗派で行うことも可能で、最近では簡易的に済ませるケースもあります。
神式の場合には神主が祝詞をあげたり、お清めをしたりします。施主はフォーマルな服装で参加しましょう。
STEP2:上棟式
注文住宅の工事が始まり、建物の骨組みが完成したら、上棟式(じょうとうしき)が行われます。
上棟式では、ここまで問題なく工事を進められたことに感謝し、建物の完成を願います。
主な参加者は施主・棟梁・工事関係者など。儀式には、工事に携わる職人への労いの気持ちを伝える意味合いもあります。
STEP3:竣工
STEP4:完成立ち会い
施主と施工会社が完成した注文住宅をチェックします。
建物に傷がないか、扉の開閉が問題なくできるか、設備に不具合がないかなど、この段階できちんと確認をしておきましょう。
万が一問題が見つかった場合には、入居後に修理を行う可能性があります。トラブルを防ぐために、書面で記録を残しておくと良いでしょう。
STEP5:完了検査
工事が完了してから4日以内に完了検査の申請を行います。完成した建物が法令に適しているか確認するための検査です。
問題がなければ、その後に検査済証という書類が交付されます。検査済証が発行されるまでの期間は建物の利用ができません。
STEP6:引き渡し~入居
施工会社から建物の鍵や必要書類を受け取り、物件が引き渡されます。鍵は工事の時と変わっているか念の為に確認しておきましょう。
建築確認通知書や検査済証のほかに、設備の取扱説明書や保証書などの書類があります。書類は大切に保管しましょう。
その後、引っ越しを行い入居したら、すべての流れが完了です。
注文住宅の入居までの流れを把握してスムーズに進めよう!
注文住宅が完成して入居するまでの流れを、大まかにご紹介しました。
注文住宅を建てるには、土地探しや設計施工会社の選定から始まり、自分たちでやるべきことが多くあります。信頼できる設計施工会社を選び、希望に合う住まいを設計するとともに、工事や手続きをサポートしてもらえると安心です。
事前に入居までの流れを把握して、今後の流れをスムーズに進められるよう準備しておきましょう。
ご紹介した内容を、注文住宅を建てる際にお役立てください。