【2025年度】子育てグリーン住宅支援事業の上手な使い方
【新築向け】子育てグリーン住宅支援事業マニュアル
※この記事は令和6年(2024年)12月23日、国土交通省公式サイト内で公示があった「子育てグリーン住宅支援事業」に関する情報を記載したものです。
内容は新築・リフォームを検討している方ではなく事務事業者の公募に関するもので、施工業者が当該補助事業の事務事業者でない場合は申請できない補助金であることをご了承ください。
利用を希望する方は、施工会社へのお問い合わせをおすすめいたします。
制度の概要
子育てグリーン住宅支援事業は、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指し、高い省エネ性能を備えた住宅の新築を支援する補助金制度です。これまでは子育て世帯と若者夫婦世帯のみ対象だったのが、GX志向型住宅を建築する場合に限り、全ての世帯が補助対象になりました。
対象世帯 | 対象住宅 | 補助額 |
---|---|---|
すべての世帯 | GX志向型住宅 | 160万円 |
子育て世帯・若者夫婦世帯 | 長期優良住宅 | 建替前住宅等の除却を行う場合:100万円 上記以外の場合:80万円 |
ZEH水準住宅 | 建替前住宅等の除却を行う場合:60万円 上記以外の場合:40万円 |
対象となる世帯の詳細
- 子育て世帯:申請時点で、18歳未満の子どもがいる世帯。
- 若者夫婦世帯:申請時点で、夫婦のいずれかが39歳以下の世帯。
対象となる世帯は、特定の省エネ性能基準を満たした新築住宅の取得や、リフォームを行う際に補助金を受けられます。
対象となる物件の詳細
補助対象となるのは、2024年11月22日以降に基礎工事より後の工程に着手した物件で、延床面積が50m2以上240m2以下であることも条件です。住宅の種類ごとに概要と用語を解説します。
- 断熱等性能等級:品確法に規定された省エネ性能を示す等級。2022年から7段階表記になっている。
- 再生可能エネルギー:住宅では太陽光発電と蓄電池が該当する。
- 一次エネルギー:冷暖房や給湯器・電気機器等にかかる消費エネルギーのこと。
GX志向型住宅
断熱等性能等級6以上を満たし、再生可能エネルギーを使わない状態で一次エネルギー消費量を35%以上削減できる住宅です。再生可能エネルギーで一次エネルギー消費量を100%削減できることも条件に含まれます。
厳しい条件ですが、子育てグリーン住宅支援事業で160万円の補助金を受けられるのは大きな魅力です。
長期優良住宅
長く良好な状態を保つための対策が施され、地方公共団体から認定を受けた住宅です。断熱等性能等級5以上の性能と、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を20%以上削減することが求められます。
ZEH水準住宅
断熱等性能等級5以上を満たし、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を20%以上削減する住宅です。再生可能エネルギーを活用して、年間の一次エネルギー消費量の収支を0に近づけることを目指します。
補助金額の詳細
- GX志向型住宅:全ての世帯が対象で、1戸あたり160万円の補助金を支給。
- 長期優良住宅:子育て世帯または若者夫婦世帯が対象。建て替え前の住宅を除却する場合は100万円、除却しない場合は80万円の補助金を支給。
- ZEH水準住宅:子育て世帯または若者夫婦世帯が対象。建て替え前の住宅を除却する場合は60万円、除却しない場合は40万円の補助金を支給。
建て替えに伴い、建築主または親族が所有する既存住宅を取り壊す場合、長期優良住宅やZEH水準住宅を新築する際の補助金に加え、住宅の除却費用として20万円が追加で支給されます。
利用に関する注意点
分譲住宅の場合
分譲住宅を購入する場合、住宅購入者がまだ決まっていなくても、事前に補助要件を満たす住宅の戸数が登録されていれば補助金の交付申請が可能です。事業者が1ヵ月ごとの登録戸数や住棟ごとの上限内で対応しますが、購入者が増えた場合には事業者を通じて追加申請もできます。
賃貸住宅の場合(長期優良住宅またはZEH水準住宅のみ)
補助金を活用した合理的な優遇家賃が適用されるので、入居者募集に効果的な制度です。新築時の最初の3ヵ月間は子育て世帯や若者夫婦世帯が優先的に入居募集の対象であることと、全体の50%が申請可能な戸数の上限となることを把握しておきましょう。
分譲住宅や賃貸住宅でも、子育てグリーン住宅支援事業を利用すれば、事前登録や入居募集に柔軟に対応できるメリットがあります。
※参照:(pdf)「子育てグリーン住宅支援事業の概要」|国土交通省https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001855013.pdf
申請~補助金受給の流れ
- 事業者登録:施工を担当する建築事業者が、国土交通省の定める手続きに従って事前に事業者登録を行います。
- 契約締結:住宅購入者(施主)は、登録済みの事業者と新築工事やリフォーム工事の契約を結びましょう。
- 工事着手:契約締結後、工事に着手します。補助対象となるのは、2024年11月22日以降に基礎工事より後の工程に着手した物件です。
- 交付申請:事業者が必要書類を準備し、オンラインシステムを通じて補助金の交付申請を行います。
- 審査・交付決定:申請内容が審査され、条件に適合している場合は補助金交付が決定する仕組みです。
- 工事完了報告:工事完了後、事業者が工事完了報告を提出します。
- 補助金の受け取り:工事完了報告が承認されると、補助金が事業者に支払われ最終的に施主に還元されます。
よくある疑問とその回答
いつから申請可能な補助金でしょうか?
2024年11月22日以降に基礎工事より後の工程に着手した場合、開始と同時に申請が可能です。2024年11月22日以前に基礎工事以降の工事に着手していた場合は申請できませんのでご注意ください。
どうやって申請すればいいのでしょうか?
施主は事前に登録された事業者と工事契約を締結し、必要な書類を提出します。その後、交付申請は事業者がオンラインシステムを通じて代行します。
土地条件によっては対象から外れてしまう住宅があるって本当ですか?
以下のような土地に建てられた住宅は、原則として補助対象外です。
- 土砂災害特別警戒区域に指定されている土地
- 災害危険区域(急な斜面が崩れる危険がある区域や、地すべりが発生しやすい区域)
- 立地適正化計画区域の中で、居住が進められていない区域(居住誘導区域外)かつ、災害リスクが高い災害レッドゾーンに該当し、特定の条件を満たす土地
- 市街化調整区域に指定され、土砂災害警戒区域や浸水が想定される区域(浸水想定の高さが3m以上)の土地
GX志向型住宅について、狭小地だと太陽光発電の設置は難しいのでは…
狭小地で太陽光発電の設置が難しい場合でも、断熱性能や一次エネルギー消費量削減率などの要件を満たせば「ZEHOriented(ZEH補助金が活用できる住宅)」として認められるケースがあります。
新築物件での3省連携のメリットとは?
子育てグリーン住宅支援事業は環境省・経済産業省・国土交通省の3省が連携して進めており、蓄電池設置の補助金制度と一緒に利用できます。蓄電池の設置費用の3分の1が補助されるため、エネルギー効率がさらに向上するだけでなく家計にもやさしいというメリットを享受できるでしょう。
【リフォーム向け】子育てグリーン住宅支援事業ガイド
補助対象となるメニューと金額
子育てグリーン住宅支援事業のリフォーム向け補助金は、必須工事と附帯工事の組み合わせによってSタイプとAタイプの2つのメニューに分けられます。
Sタイプでは、開口部の断熱改修・躯体の断熱改修・エコ住宅設備の設置という3つの必須工事すべてを実施すれば、1戸あたり最大60万円の補助を受けることが可能です。
Aタイプでは、これらの必須工事のうち2種類を行うと1戸あたり最大40万円の補助を受けられます。必須工事に加えて子育て対応改修やバリアフリー改修などの附帯工事を組み合わせると、補助金の対象範囲が広がります。
附帯工事のみでは補助金の対象とならないため、必須工事と組み合わせて計画を立てましょう。
補助対象工事とは
必須工事
補助対象工事の必須工事には、開口部の断熱改修・躯体の断熱改修・エコ住宅設備の設置があり、開口部および躯体の断熱改修に関してはZEH水準以上の省エネ性能の達成が条件となっています。
附帯工事
附帯工事には子育て対応改修やバリアフリー改修などがあり、必須工事とセットで行うことが条件です。
利用に関する注意点
- 申請手続き:
補助金の申請は、事前に登録された事業者を通じて行う必要があります。施主が直接申請することはできません。 - 予算上限:
補助金の申請受付は、予算が上限に達した時点で期限前に終了する可能性があります。申請を予定している方は早めに手続きを進めましょう。
申請~補助金受給の流れ
新築向け補助金申請と同様に登録事業者との契約が必要です。工事の実施から補助金の受け取りまで事業者が申請手続きを代行します。補助金は工事費用と相殺されるか、施主が全額支払ったのちに返金される仕組みです。
よくある疑問とその回答
リフォーム物件での3省連携のメリットとは?
これまで個別に申請が必要だったほかのリフォーム補助事業がワンストップで申請可能となり、手続きの手間を大幅に軽減できます。
「必須工事」「附帯工事」とはなんですか?
必須工事は補助金を申請するために必ず行う主要な工事のことで、附帯工事は加えて行う関連工事を指します。
「附帯工事」だけでは申請できないのですか?
必須工事を含まない場合は補助金の対象にはなりません。その他、補助事業の活用を検討しましょう。
親からリフォーム資金を援助してもらうのですが、補助金は申請可能ですか?
対象世帯であり住宅の所有者であれば、親から資金援助を受けた場合でも補助金の申請は可能です。ただし、援助金が一定額を超えると贈与税が発生する可能性があるため注意してください。
子育てグリーン住宅支援事業を利用したい人のための知っ得情報
併用できる補助金制度
新築住宅で併用できる補助金
子育てグリーン住宅支援事業を利用して新築住宅を建てる際にDR(ディマンドリスポンス)対応の蓄電池を設置すると、経済産業省の「家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業」と一緒に補助を受けられます。
補助金は、家庭用蓄電池の設置やエネルギー管理をIoT化する取り組みを支援するものです。再生可能エネルギーの普及が進み、電力の需給が安定することを目指しています。
リフォームで併用できる補助金
- 先進的窓リノベ2025事業:
高性能な窓への改修を支援する制度で、断熱性能を高めることを目的としています。 - 給湯省エネ2025事業:
省エネ性能の高い給湯設備への改修を支援する制度です。エネルギー消費の削減を目的としています。
子育てグリーン住宅支援事業を活用したリフォームでは、上記の補助金制度と併用できます。補助金制度は、2025年1月19日時点で閣議決定待ちです。
また、最大200万円の補助が受けられるのは令和7年が最後といわれているので、検討している方はこの機会を逃さないようにしましょう。
※参照: 「先進的窓リノベ2025事業の概要」|経済産業省 https://www.meti.go.jp/press/2024/11/20241129002/20241129002-6.pdf
「給湯省エネ2025事業(令和6年度補正予算案「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」)について」|経済産業省資源エネルギー庁https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/kyutokidonyu/kyutodonyuhojo2024.html
【番外編】都内なら「東京ゼロエミポイント」が利用できる
「東京ゼロエミポイント」は東京都が実施する事業で、エアコン・給湯器・冷蔵庫・LED照明器具を購入か買い替えた際にポイントが付与される制度。ポイント付与は都内在住の方が対象となります。
申請手続きは登録販売店が行い、購入者は以下の書類や情報を用意する必要があります。
- 本人確認書類(例:運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 買い替え前の家電の製造年が確認できる写真
2つの条件を満たすと、ポイントを受け取ることが可能です。
※参照:「東京ゼロエミポイント」|東京都 https://www.tz-points.jp/
新築・リフォーム時に使える税制優遇(控除)
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅では、住宅ローン減税を受けるために、省エネ基準を満たすことが必須となりました。補助金を利用する際にも、建築計画が省エネ基準に適合しているかどうかを事前に確認しておきましょう。
※参照:「住宅ローン減税」|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
住宅取得等資金贈与の非課税特例
2024年1月1日から2026年12月31日までの間に父母や祖父母などから住宅を購入するための資金を贈与された場合、条件を満たせば贈与税がかからなくなります。
省エネ性能が高い住宅の場合は最大1,000万円まで非課税で、それ以外の住宅は最大500万円までが非課税の対象です。
※参照:「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」|国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm
固定資産税の減税
一定のリフォームを行うと、住宅の固定資産税が減額される場合があります。たとえば、耐震改修や省エネ改修を実施すると一定期間の固定資産税が減額されますが、優遇措置を受けるにはリフォームの内容・工事費用・居住開始時期などの条件を満たさなければいけません。
また、申請時には増改築等工事証明書などの書類が必要です。詳細な条件や手続きについては国土交通省の公式サイトでご確認ください。
なお、適用条件や手続きは変更される可能性があるため、リフォームを計画する場合は情報を確認して適切な手続きを行いましょう。
※参照:「住宅リフォームにおける減税制度について」|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000249.html
- 先進的窓リノベ2025事業:
高性能な窓への改修を支援する制度で、断熱性能を高めることを目的としています。 - 給湯省エネ2025事業:
省エネ性能の高い給湯設備への改修を支援する制度です。エネルギー消費の削減を目的としています。
子育てグリーン住宅支援事業を活用したリフォームでは、上記の補助金制度と併用できます。補助金制度は、2025年1月19日時点で閣議決定待ちです。
また、最大200万円の補助が受けられるのは令和7年が最後といわれているので、検討している方はこの機会を逃さないようにしましょう。
※参照: 「先進的窓リノベ2025事業の概要」|経済産業省
「給湯省エネ2025事業(令和6年度補正予算案「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」)について」|経済産業省資源エネルギー庁https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/kyutokidonyu/kyutodonyuhojo2024.html
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