タイルってどのくらい種類があるの?それぞれの特色について解説

自宅の玄関や浴室に使われるタイル。そんなタイルにはさまざまな種類があり、種類によって使われる場所も異なります。
この記事では素材別と用途別に、タイルの種類と特色を解説します。
住宅におけるタイルの使用例もまとめているので、「自宅の建築やリフォームでタイルを使いたい」という方はぜひご覧ください。
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1.素材別の種類
まずは素材別に、タイルの種類を紹介します。
タイルは素材で分けると以下の3種類があります。
1-1磁器質(Ⅰ類)タイル
石英や長石、粘土などを1200~1350度の温度で焼いたタイルが磁器質タイルです。
素地が緻密で硬いことから、たたくと金属のような澄んだ音がします。
磁器質タイルは吸水率が1%未満。ほとんど水を吸わないので、水回りでの使用に向いています。
また、 耐凍害性や耐摩耗性にも優れていることから外壁に使うタイルとしても人気です。
1-2せっ器質(Ⅱ類)タイル
粘土や長石などを1200度前後の温度で焼いたタイルがせっ器質タイルです。
磁器質タイルに比べると吸水性はやや高く、吸水率は5パーセント以下です。それでも、タイルのなかでは吸水性が低いほうに分類されます。
このほか、素地の硬さや耐候性の高さが特徴です。
1-3陶器質(Ⅲ類)タイル
陶土や石灰などを1000~1200度の温度で焼いたタイルが陶器質タイルです。
細かい穴がたくさん空いている「多孔質」の構造をしているので、たたくと濁音がします。
吸水率は22パーセント以下と、磁器質タイル、せっ器質タイルに比べて吸水性が高いのが特徴です。
ただし、硬さや強度は劣ります。
2.用途別の種類
続いて、用途別にタイルの種類を見ていきましょう。
用途で分類した場合、タイルには以下の4種類があります。
2-1内装タイル

内装、つまり建物の内部に貼るタイルのことで、トイレやキッチン、洗面所などの水回りによく使われています。
内装タイルは25mm角の小さなものから600角、1200×600mmなどの大きなものまであり、小さいタイルほどかわいらしく、大きいタイルほど目地が少なくなり高級感を演出できます。好みやインテリアに合わせて使い分けましょう。
2-2外装タイル
外装、つまり建物の外側に貼るタイルのことです。
建物の外側は雨風や日差しにさらされるので、デザイン性だけではなく耐久性や耐水性、耐候性などの性能面に優れていなければなりません。このため外装タイルには、雨風や日差しに強く劣化しにくく、吸水性が低いため寒冷地でも割れにくい磁器質タイルやせっ器質タイルがよく使われています。
2-3床タイル

文字通り床に貼るタイルのことです。
床タイルには、建物の中で使用するものと建物の外で使用するものがあります。しかし、いずれの場合も人が上を歩くことから、衝撃や摩擦、汚れに強く、滑りにくいものが使用されます。
2-4モザイクタイル

厳密には用途ではなく、サイズによって分類されるタイルで、一辺の長さが10cm以下、表面積が50cm2以下のものを指します。
とても小さなタイルなので、一般的にはネット(メッシュ)などに複数枚が連結されている、「ユニット化」されたものが販売されています。
3.特殊名称タイル
素材や用途で分類されるのではない、特殊な名称を持つタイルもあります。
3-1スクラッチタイル

細い溝の模様があるタイルがスクラッチタイルです。主に建物の外壁に使われます。
タイルを作るときは耐水性を高めたり、汚れをつきにくくしたりするために釉薬(ゆうやく)と呼ばれる薬品をかけることがあります。
通常、釉薬をかけて作られたタイルは表面がコーティングされたような質感になるのですが、スクラッチタイルは釉薬をかけずに作られるため、素材そのものの質感を楽しめるのが魅力です。
3-2テッセラタイル
表面に石を割ったような独特な凹凸があるタイルです。こちらも主に建物の外壁に使われます。
テッセラタイルは、天然石のようなテクスチャーと質感が特徴。大量生産されるタイルながらも、まるでハンドメイドのような風合いがあります。
3-3テラコッタタイル

土を成形し、乾燥させて焼くことで作られる素焼きのタイルです。
暖かみのある色合いと質感が魅力のタイルであり、素朴な風合いがあります。
また、焼成温度や焼成時の湿度によって色味が大きく変化することから、1枚1枚が異なる表情を持っているのも特徴です。
4.住宅におけるタイルの使用例
最後に、住宅におけるタイルの使用例をまとめました。自宅にタイルを取り入れたい方は参考にしてください。
4-1外壁
自宅でタイルが使われている代表的な場所といえば外壁です。特に素朴な風合いのものが好まれます。
外壁は1年中外気にさらされていること、雨風や日光を浴び続けることから、耐久性が高く変質しづらい材質のタイルを使う必要があります。
上記を踏まえ、外壁に使うタイルとしては磁器質タイル(Ⅰ類)が向いています。
4-2玄関
玄関では基本的に、床にタイルが使われています。
玄関の床は土足で人が出入りする場所であることから、汚れにくい材質のタイルが向いています。
また、衝撃に対する強さも求められるため、外壁と同様にセラミックタイルが人気です。
4-3浴室
自宅のなかで、タイルがよく使われている場所の1つが浴室です。
浴室は常に湿度が高く、入浴の際には壁や床の広範囲が水で濡れます。耐水性に優れているタイルが向いているので、磁器質タイルやせっ器質タイルが選ばれる傾向にあります。
タイルによっては濡れると滑りやすくなることがあるため、床に設置するタイルには注意する必要があります。特殊な表面加工や凹凸のあるデザインなどで滑り止め加工が施されたタイルを選びましょう。
5.まとめ

ひとくちにタイルといっても、その種類はさまざま。耐水性や耐久性の高いもの、素材そのものの質感を楽しめるもの、素朴な風合いを持つものなどがあります。
タイルの見た目や性質、質感は種類によって異なるので、使用する場所に合ったものを選び取り入れましょう。