【2026年版】オフィスデザイン完全ガイド|コストを抑えて「選ばれる職場」を実現するコツ
オフィスデザインの基礎知識
オフィスデザインがもたらす5つの効果
従業員満足度の向上
毎日長い時間を過ごすオフィス環境は、従業員のモチベーションに直結します。おしゃれで快適な空間が用意されていれば会社へ行くこと自体が楽しみになり、仕事に対する意欲も自然と高まるでしょう。
反対に暗くて手狭な空間や使い勝手の悪いレイアウトの空間では、ストレスが蓄積しやすくなります。リラックスできる休憩スペースや自然光を取り入れた明るい空間を設ければ従業員が「大切にされている」と実感できるため、会社への愛着心も深まるでしょう。
業務効率化・生産性のアップ
従業員にとって快適で働きやすいオフィス空間の構築は、業務効率化や生産性アップにつながります。不要な移動や騒音といったストレスの要因をオフィスから徹底的に取り除けば、集中力や作業のスピード・精度が向上しやすくなるためです。
一人ひとりのパフォーマンスが発揮される環境を整えられて作業スピードが改善すれば、競争力向上や売上増加、コスト削減にも貢献できるでしょう。
社内コミュニケーションの活性化
オフィスデザインの最適化を図ると、部署やチームの垣根を越えた社内コミュニケーションの活性化が期待できます。好きな席で働けるフリーアドレスの導入、従業員が自然に集まるリフレッシュスペースの設置などによって、交流のきっかけや偶発的な出会いを生み出せるためです。
社内コミュニケーションの機会を増やせば、組織全体の風通しがよくなるだけではなく部署間のスムーズな連携やアイデアの創出にもつながるでしょう。
企業ブランディングの強化
洗練されたオフィス空間は、企業ブランディングを強化するための強力なツールとなります。来客の多いエントランスや応接室に自社のコンセプトやコーポレートカラーを反映すれば、企業の姿勢を視覚的にアピールできるからです。
オフィスそのものが企業のアイデンティティを体現する場となれば来訪者に強い印象を残し、信頼感の向上につながります。同時に従業員に対しても自社の魅力を再認識させる効果があり、帰属意識や仕事への誇り(エンゲージメント)を育むきっかけになるのもメリットです。
採用力の強化・優秀な人材の確保
近年の求職者は給与や仕事内容だけでなく職場の雰囲気や働きやすさも重視して企業を選ぶ傾向にあるため、ミラタップのノイズレスな建材やデザイン性の高い設備は、感度の高い若手層やクリエイター層への強力なアピールになります。
清潔感があり機能的でおしゃれなオフィス環境を整えれば、求職者の志望度を高めて応募者の増加が見込めます。従業員満足度の向上によって定着率が高まれば、優秀な人材の流出防止も可能に。リソース不足の解消や採用コストの大幅な削減など、企業にとって計り知れないメリットをもたらしてくれるでしょう。
オフィスデザインの7つのレイアウトパターン
対向型(島型)レイアウト
対向型(島型)レイアウトは、デスクを向かい合わせに配置する日本のオフィスで最もスタンダードなパターンです。部署やグループごとにデスクの「島」が形成されるため、別名「島型レイアウト」とも呼ばれています。
同じグループの従業員が集まって座るため、チーム内での相談やコミュニケーションを気軽にとりやすい点がメリット。省スペースで多くの人員を配置でき、電話線やLANケーブルの配線管理がしやすいなど運用面での効率性にも優れています。
一方で、背中合わせになる別のグループとは会話が生まれにくく、部署間の連携が希薄になりやすい点がデメリットです。
同向型(スクール型)レイアウト
同向型(スクール型)レイアウトは、すべてのデスクを同じ方向に向けて配置するパターンです。学校の教室のように全員が前を向いて座るため「スクール型レイアウト」とも呼ばれ、コールセンターや銀行の窓口などでよく採用されています。
デスク前方からの視線を気にする必要がないため、個人の作業に没頭しやすく迅速な対応が求められる一線式業務に適したレイアウトです。来客対応の際も、お客様とスムーズに対面できるメリットがあります。
ただし、対面での会話が生まれにくいためチーム内の密なコミュニケーションには不向きであり、通路を確保する分スペース効率が落ちやすい点には注意しましょう。
左右対向型レイアウト
左右対向型レイアウトは隣り合うデスクを左右逆向きに配置し、間にキャビネットやサイドテーブルを挟むパターンです。前後の従業員と視線が合いにくいため、適度なプライバシーを確保しながら業務に集中できます。
思考力や創造性が求められるクリエイティブ職や、機密情報を扱う管理職に特に適したレイアウトといえるでしょう。デスク間に配置する収納家具を活用すれば、作業スペースを拡張できる点も見逃せません。
デスクの向きが互い違いになるため座った状態での会話はしづらくなりますが、チャットツールなどを併用すれば業務上の連携は十分にカバーできます。
背面式レイアウト
背面式レイアウトは、同じグループが背中合わせに座るようデスクを配置するパターンです。普段は壁やパーティションに向かって作業するため、周囲の視線を気にせず個人の業務に没頭できます。
相談が必要なときは椅子をクルリと回転させるだけで向かい合わせになるため、スムーズなコミュニケーションが可能に。集中とコミュニケーションのバランスを両立しやすい点が、このレイアウトの大きな魅力といえます。
中央の空きスペースにミーティングテーブルを置けばチームの連携はさらに深まりますが、比較的広いスペースが必要になる点には留意しましょう。
クロス型レイアウト
クロス型レイアウトは、4つのデスクを縦横に交差させて十字型に配置するパターンです。4人がそれぞれ異なる方向を向いて座るため、視線がぶつからず作業への集中力が高まります。互いの距離は近いため、少し顔を上げたり椅子を引いたりすればすぐにコミュニケーションを取れるのも特徴です。
デザイン性が高くオフィスをおしゃれに演出できる反面、デスクの配置に無駄なスペースが生まれやすく空間効率は決してよくありません。オフィスの広さや形状によっては少し窮屈に感じる場合があるため、導入前に十分なスペースがあるか確認しましょう。
ブーメラン型レイアウト
ブーメラン型レイアウトは、120~135度の角度で曲がるデスクを向かい合わせで3つ配置するパターンです。1人あたりの作業面積が広いため、複数のモニターや資料を広げても余裕を持って業務に取り組めます。
座る角度がずれているため視線が合いにくく、個人の集中力を維持しやすいのがメリット。必要に応じて振り向けばすぐにチームメンバーと会話できるため、個人作業とチーム作業が混在する職種にマッチします。
ブーメランのような斬新な見た目はデザイン性にも優れていますが、スペース効率が悪くデスクにコストがかかりやすい点がデメリットです。
ブース型レイアウト
ブース型レイアウトは、デスクの周囲をパーティションで囲み半個室のような空間をつくるパターンです。周囲からの視線や雑音を物理的に遮断できるため、プログラマーやデザイナーなどの高い集中力が求められる職種に向いています。
プライバシーも確保できるため、人事や経理など機密性の高い情報を扱う部署にも向いているレイアウトだといえるでしょう。
個人作業の効率は劇的に向上するものの、空間が細かく区切られるため複数人でのミーティングやWeb会議用のスペースは別途設ける必要があります。パーティションの高さによってはオフィスの見通しが悪くなり、圧迫感を与えてしまう点にも注意しましょう。
知っておきたいオフィスデザインのトレンド
ABW(Activity Based Working)の導入
ABWとは、その日の業務内容や気分に合わせて働く場所を自由に選ぶワークスタイルです。たとえば周囲を気にせず作業に没頭したいときはブース、グループ内でアイデアや意見を募るときは共有スペースと状況別に選択できます。
社内だけでなく、自宅・コワーキングスペース・カフェなどオフィス以外の場所を選択肢に含めるケースも珍しくありません。従業員が最もパフォーマンスを発揮できる環境を自ら選ぶことで、生産性の向上やワークライフバランスの改善に貢献する施策です。
バイオフィリックデザイン(自然素材・植物の活用)
バイオフィリックデザインとは、「人は本能的に自然とのつながりを求める(バイオフィリア)」という概念に基づき空間に自然の要素を取り入れる設計手法です。木材などの自然素材でつくられた家具を配置したり、オフィス内に豊かな観葉植物を飾ったりして視覚的な癒しを提供します。
特にミラタップの無垢床材や、細いフレームのガラスパーティション《クアドロスリム》は、自然光を遮らずに空間を仕切ることができ、バイオフィリックデザインとの相性が抜群です。
自然光を取り入れる窓の配置や森を連想させるアロマの香り、川のせせらぎのような環境音を活用する事例も。無機質になりがちなオフィスに自然の要素を取り入れることで従業員のストレスを軽減し、幸福度や創造力を高める効果が期待できるでしょう。
ウェルビーイング(健康・快適性)の重視
ウェルビーイングとは単に“病気ではない”というだけでなく、身体的・精神的・社会的に満たされた「良好な状態」を指す概念です。近年はこのウェルビーイングを重視したオフィスデザインが企業の成長に不可欠だと考えられるようになりました。
従業員の健康と快適性を第一に考えた環境づくりは、生産性向上や離職率低下といった恩恵をもたらすと期待されています。
施策としては、人間工学に基づいた疲れにくいオフィスチェアの導入・気分転換できるカフェスペースの設置・健康的な食事を提供する社食の整備などが代表的です。従業員が心身ともに健やかに働ける環境は、企業としての魅力を高める投資ともいえるでしょう。
オフィスデザインを失敗させないための秘訣
オフィスデザインを考えるときのポイント
現状の課題を洗い出す
オフィスデザインを成功に導くためには、いきなりデザインやレイアウトを考えるのではなく現状の課題を明らかにする必要があります。経営層の視点だけで決めるのではなく、実際に現場で働く従業員にヒアリングやアンケートを実施してリアルな不満や要望を吸い上げましょう。
「会議室が足りない」「集中できる場所がない」「収納スペースが不足している」といった具体的な声を拾い集めることが改善の第一歩。環境診断ツールなどを活用して働きやすさの満足度を数値化すると、より客観的な視点で課題を把握できます。優先的に改善すべきポイントが見えてくれば、的確なオフィスづくりへとつながるはずです。
コンセプトを決める
コンセプト(概念)は、オフィスデザインの計画全体をブレずに進めるための重要な「軸」となります。自社の理念や実現したい働き方をベースに、新しいオフィスで何を表現したいのかを明確に定義しましょう。
コンセプトを固める際は、以下のポイントを踏まえるようにするとスムーズです。
- 企業理念やビジョン
- 従業員に求める働き方
- 自社のブランドイメージ
- 従業員の働きやすさや快適性
- 社内コミュニケーションのあり方
- コーポレートカラー
コンセプトが固まっていない状態で先に進むと、統一感のないデザインに仕上がったり計画の軸がぶれて頓挫したりする可能性もあります。施行後に後悔することがないよう、慎重に検討しましょう。
ゾーニングを考える
ゾーニングとは、オフィスの限られた空間を目的や機能ごとに適した広さで区分けしていく作業です。全体の面積や従業員数、業務内容、セキュリティレベルなどを総合的に考慮して配置を決定します。
オフィスにおける代表的なゾーニングの分類は以下の通りです。
| 分類 | 概要 |
|---|---|
| 執務スペース | 従業員が日常的な業務を行うメインの場所 |
| 集中スペース | 周囲を気にせず作業に没頭するための場所 |
| 役員スペース | 代表取締役などの役員が業務を行うセキュリティの高い場所 |
| 共有スペース | ミーティングや来客対応などに使用する場所 |
| 情報管理スペース | サーバー機器や機密書類を厳重に管理する場所 |
| パブリックスペース | 従業員や外部の来訪者が出入りする場所 |
| リフレッシュスペース | 休憩や食事、社員同士の雑談を楽しむ場所 |
「誰が」「何のために」「どれくらいの頻度で使うのか」といった観点に基づき、各ゾーンの適切な配置を検討しましょう。
動線計画を立てる
動線計画はオフィス内の無駄な動きを減らし、業務効率や従業員のストレス度合いやオフィスの快適性を左右する工程です。
動線が悪いと移動に時間がかかるだけでなく、すれ違いざまの接触による事故やストレス増、業務効率の低下を招く原因となります。人が行き来しやすいよう十分な通路幅を確保する・メインとサブの動線を分けるといった考え方を設計に反映しましょう。
近年はあえてオフィス内を回遊させる「ループ型」や「ジグザグ型」の動線を採用し、他部署のメンバーと自然に顔を合わせる機会を増やす工夫も人気を集めています。
【エリア別】機能・デザインのポイント
エントランス
エントランスは来訪者が最初に目にする場所であり、企業にとっての「顔」とも呼べるエリアです。企業の第一印象を決定づけるため、自社のブランドイメージやコンセプトをダイレクトに伝える洗練されたデザインが求められます。
たとえば壁面にコーポレートロゴを大きく配置したり、自社の主力製品を美しいショーケースに入れて展示したりする見せ方が効果的。色彩心理を意識し、清潔感と信頼感を与える白やベージュを基調としながらアクセントカラーで企業の個性を演出するのもよいでしょう。
待ち時間を過ごすためのソファやオフィスへの案内板を設置するなど、エントランスの快適性・利便性を高める施策も求められます。
執務スペース
従業員が1日の大半を過ごす執務スペースは、生産性を高めつつ社内コミュニケーションも促進できる環境にしたいもの。日常業務を円滑にこなせる空間にするには、チーム構成や業務内容に合ったレイアウトパターンを採用するのが成功のカギです。
近年は固定席をなくすフリーアドレス制を導入し、省スペース化とコミュニケーションの活性化を同時に図る企業も増えています。集中力を高めたいエリアには寒色系、活発な議論を促したいエリアには暖色系のインテリアを取り入れるなど、色彩の力も活用するとよいでしょう。
エントランスや会議室の話し声が気にならないよう、音の発生源から距離を置いたり吸音効果のあるパーティションで仕切ったりする配慮も大切です。
会議室
重要な経営判断を下す場であると同時に、日々の気軽なミーティングやブレインストーミングも行われる会議室。用途や参加人数に応じてフレキシブルに使えるデザインが求められます。
活発な意見交換を目的とするなら視線が交差しやすい丸テーブルや対向型レイアウトを採用し、気分を明るくするオレンジなどの暖色を差し色に取り入れましょう。
一方、冷静な議論や役員会議を行う部屋には重厚感のある木目調の家具や集中力を高めるブルー系の内装が適しています。機密情報を取り扱う機会が多いため、壁面に吸音パネルを設置して音漏れを防ぐなどのセキュリティ対策も欠かせません。
リフレッシュスペース
単なる休憩所ではなく、従業員が心身を整えてパフォーマンスの向上を図る役割も持つリフレッシュスペース。部署やチームを横断した交流が生まれ、社内コミュニケーションの活性化にも寄与する場です。
BAR風のおしゃれな空間にしたりソファ席やテーブル席が混在したラウンジを設けたりするなど、リフレッシュスペースのスタイルは自由自在。ゲーム機やフィットネスマシンを設置する事例もあり、会社の個性を現しやすい場といえるでしょう。
アースカラー(茶色やグリーンなど)を基調として観葉植物を多く配置すれば、より一層リラックスできる癒しの空間に仕上がるでしょう。
オフィスデザインに取り入れたい工夫・アイデア
ファミレス席
ファミレス席とは、テーブルを挟んで向かい合うソファを配置した座席です。一般的なファミリーレストランのボックス席とほぼ同じで適度な区切りがあるため、1人での作業や少人数でのミーティングなど幅広い用途で活用できるでしょう。
コンパクトな設計でありながら複数人が座れるため、限られたスペースを有効活用できる点も大きな強みです。パネル付きソファやパーティションを使えば、プライバシー性が高い半個室スタイルになります。
個室ブース
個室ブースとは、周囲の空間から完全に独立したドア付きの小さな個室空間のこと。周囲の雑音や視線を物理的にシャットアウトできるため、高い集中力が求められる業務に向いています。
周囲への音漏れも防げるため、機密情報を扱うWeb会議や重要な電話対応の際にも安心して利用可能。電話ボックスのような1人用タイプが主流ですが複数人で入室できる広めのブースもあり、周囲に聞かれたくない対面での込み入った相談事にも活用できます。
タッチダウンスペース
外回りや出張から戻ってきた従業員が使う一時的な作業空間がタッチダウンスペース。外出中に届いたメールやメッセージを確認したり、次の取引先に向かうための準備を進めたりする際に利用します。
エントランスの片隅や通路沿いにタッチダウンスペースを設置すれば、帰社した直後に簡単な作業がしやすくなります。執務フロアまでの移動時間や作業場所を探す時間を削減できるため、業務効率化につながるのがメリットです。
誰でも気軽に立ち寄れるオープンな性質上、他部署のメンバーと偶発的なコミュニケーションが生まれやすいのも魅力といえるでしょう。
カフェブース
本格的なコーヒーマシンやドリンクサーバーを備え、飲食しつつリラックスできるのがカフェスペース。バーカウンターやカフェテーブルを組み合わせれば、本物のカフェのような雰囲気に仕上がるでしょう。
わざわざオフィスの外に出なくても美味しいコーヒーを飲みながら一息つけるため、従業員の満足度向上につながりやすい設備です。リラックスした雰囲気の中でパソコン作業を行ったりコーヒーを片手にカジュアルなミーティングを開いたりと、多様な働き方を支援する場としても機能します。
ライブラリスペース
ライブラリスペースとは、従業員が自由に閲覧・貸出できる書籍を集めた「社内図書館」のこと。業務に関する専門書や資格試験の参考書、自己啓発本といった仕事に役立つ本を置いて知識の共有を図ります。
知識の共有や自己研鑽を会社として後押しする姿勢が伝わるため、従業員のモチベーション向上にも貢献してくれるでしょう。
本をきっかけとした会話が生まれやすく、部署を越えた知的なコミュニケーションの場としても機能します。仕事に直結する書籍だけでなく、あえて話題の小説や雑誌、デザイン本などを置いて気分転換やインスピレーションの源にするのもおすすめです。
オフィスデザインの費用を抑えるコツ
理想のおしゃれなオフィスを実現したくても、予算には限りがあるもの。費用を抑えつつ理想のオフィスを実現したいなら、まずは予算配分の優先順位を決めましょう。コストをかける部分・かけない部分のメリハリをつけることで、限られた予算を最大限に活かせます。
たとえば企業の顔であり来訪者の印象を左右する「エントランス」や顧客をもてなす「応接室」には、高グレードの内装材やデザイン性の高い家具を導入する価値が十分にあるでしょう。一方で、従業員だけが利用する「執務スペース」や「バックオフィス」は、実用性を重視してシンプルな家具を選んだり素材のグレードを抑えたりしても業務に大きな影響はありません。
デザイン会社にすべてを一任するのではなく、一部の工程を自社で巻き取るのも効果的なコスト削減策のひとつ。オフィス家具の選定や手配、簡単な組み立て作業などを自社で行えば、業者のマージンや作業費を大幅にカットできます。既存の家具でまだ使えるものはクリーニングして再利用するなど、新品への買い替えを最小限に抑える工夫も取り入れてみましょう。
オフィスデザインの注意点
セキュリティと安全性
「顧客や取引に関する機密情報を守る」「万が一の事態が起こった際に従業員の命を守る」というのが企業の果たすべき責務。セキュリティと安全性の確保は、オフィスデザインをする際の最優先事項といっても過言ではありません。
セキュリティ対策を講じる場合、ゾーニングの段階で各エリアのセキュリティレベル(誰が入室できるか)を明確に定め、必要に応じてICカードリーダーや生体認証システムによる入退室管理の導入などを検討しましょう。
安全性に関しては火災報知器やスプリンクラーの設置位置、十分な幅を持つ避難経路の確保など、建築基準法や消防法で厳密なルールが定められています。デザイン性を追求するあまりこれらの法的要件を満たせなくなることがないよう、設計の初期段階から専門家と綿密に打ち合わせを行いましょう。
インフラ・設備との整合性
新しいオフィスのレイアウトを考える際は、既存のインフラ(電気・通信・空調)や設備との整合性を必ずチェックしなければなりません。レイアウトを決める際に照明・空調の位置やコンセントの数を無視すると、オフィスの快適性や利便性が大きく低下してしまう可能性があるためです。
たとえばパーティションが空調吹き出し口を塞いでいる場合、温度ムラで暑さや寒さを感じやすくなります。デスクの近くに十分な数のコンセントやLANポートがないと、延長コードが床に散乱して見栄えも安全性も損なわれてしまうでしょう。
デザインが固まる前の段階で、専門業者にインフラ面での問題がないかチェックしてもらうのが安心です。
照明計画と動線設計
照明計画と動線設計はオフィスの快適性や業務効率、従業員の健康などに直接影響をもたらす重要な要素です。
照明計画が環境に合っていない場合、視覚的疲労に加えて頭痛・肩こりや集中力の低下を引き起こす可能性があります。作業場所は手元を明るく照らす昼白色の照明を選ぶ・リフレッシュスペースは温かみのある電球色を選ぶなど、用途に合わせた照度と色温度の調整を行いましょう。
動線に問題を抱えていると無駄な動きが増えるため、業務効率の悪化やストレスの増加につながります。「コピー機までの距離が遠すぎる」「メイン通路が狭くてすれ違うたびにストレスを感じる」といった問題は、業務効率をじわじわと低下させる原因となります。デスクの配置や人の流れをシミュレーションし、ストレスフリーで安全に移動できる余裕のある動線を確保しましょう。
空気環境と音環境
目に見えない「空気の質」と「音環境」も、働く人のパフォーマンスに多大な影響を与えます。
換気が不十分で二酸化炭素濃度が高くなったオフィスでは眠気を感じやすくなり、思考力や判断力が鈍ってしまいます。高性能な空調システムやサーキュレーターを活用して空気を効果的に循環させ、新鮮な空気を取り入れる工夫が必要。消臭剤で不快なニオイを取り除くのもよいでしょう。
オフィス内の騒音や気になる会話の音漏れも集中の妨げになります。音が反響しやすい空間には、吸音パネルや防音カーテンを設置したり特定の周波数の音を流して雑音をかき消す「サウンドマスキング」を導入したりする対策が効果的です。
カラーコーディネート
オフィス空間のカラーコーディネートは見た目の印象をよくするだけでなく、人間の心理に働きかける効果を持っています。来訪者に自社のブランドイメージを正しく伝えて従業員のモチベーションをアップさせるためにも、色彩計画は慎重に行いましょう。
空間を構成する色は役割に応じて大きく3つに分けられ、黄金比率が存在します。センス良く統一感のあるオフィスを実現するため、ぜひ知っておきましょう。
| 色の種類 | 概要 | 比率 |
|---|---|---|
| ベースカラー | 空間の基調となる色 | 70% |
| メインカラー | 空間の主要なアイテムの色 | 25% |
| アクセントカラー | ワンポイントに入れる差し色 | 5% |
【実例で学ぶ】おしゃれなオフィスデザイン
事例1:「帯家具」で空間を仕切った斬新なオフィス
本来なら足元に敷き詰める床材《ブラックウォルナット》を大胆にアレンジし、オフィス空間を仕切るための「帯家具」として採用したユニークな事例。白を基調とした無機質な空間の中に深みのあるウォルナット材が波打つように配置され、美しいコントラストを生み出しています。
この間仕切りは単に空間をゾーニングするだけでなく、和服の「帯」にさまざまな道具を挿して使っていたという先人の知恵をモチーフにしており、家具としての機能を併せ持っているのが特徴です。
帯家具の窪みには打合せブースやソファ、ベンチといった機能がパズルのように挿し込まれています。向かい合って座るファミレス席スタイルの打合せブースは、コンパクトに収まりながらも十分な天井高と広めの座面が確保されており、窮屈さを全く感じさせません。
すぐ隣に設置されたベンチには小さな丸テーブルが備え付けられており、ノートパソコンを持ち込んでのソロワークや同僚とのコーヒーブレイクなど多目的に活用できる便利なスペースとなっています。
間仕切りとしての役割を果たす帯家具は、一部がオープンな飾り棚として設計されています。
そこに瑞々しい観葉植物やこだわりのインテリア雑貨を配置することで、空間全体に温かみとおしゃれな雰囲気をプラス。空間を完全に区切っているわけではなく、棚の隙間から隣のエリアの気配が垣間見える構造にしたことで視覚的な抜け感が生まれ、オフィス全体に心地よい一体感をもたらしています。
・ミラタップで取り扱っている商品
- 床材《ブラックウォルナット9P 無塗装130》(廃番)
事例2:伝統と革新が融合したコワーキングスペース
空間を緩やかに仕切るガラスパーティションと、アイランド型のシステムキッチンを取り入れたコワーキングスペースの事例です。開放的なフロアは白とベージュが基調の洗練されたデザインに仕上がっており、快適に働ける環境といえるでしょう。
ガラスパーティションは日本の伝統文化である「ふすま」や「障子」を現代風にアレンジしたもので、フレームとガラスだけで構成されたミニマルデザインが特徴。極限までフレームを細くしているので、部屋全体に心地よいつながりを生み出しています。
コワーキングスペースの一角にはシステムキッチンが設置されているため、食をテーマにしたイベントや交流会などにも柔軟に対応できます。採用したキッチン《エレバート》は職人の手仕事が光るステンレス製のワークトップや大容量の収納など、利便性の高い設計が魅力です。
キッチンから他のスペースの様子がよく見えるため、相互にコミュニケーションをとりやすい点も強みといえるでしょう。
事例3:課題をまとめて解決するワンフロアオフィス
弊社・ミラタップの本社移転に伴いワンフロアオフィスを構築した事例です。物理的な壁を取り払って全員の顔が見渡せる環境をつくることで、以前のオフィスが抱えていた「部署間のコミュニケーションの分断」という課題を解決しました。
会社の「顔」となるエントランスは、ミラタップが重視するミニマリズムにこだわった空間です。枠を細くしたガラスパーティションや厚みを減らした造作天井など、引き算のデザインでシンプルに仕上げました。
自社製の住宅用門柱をセキュリティリーダーとしてカスタマイズして配置し、製品に触れる機会を創出しています。
「理想の働き方を実現しづらい」という課題にも対処できるよう多様な働き方を支援するため、フロア内には性質の異なるさまざまなワークスペースが点在しています。
フリーアドレス席のリビングエリアや創造性を刺激するバスルームエリア、研修やセミナーに適したひな壇エリアなどを用意。ソファでのんびり過ごせるダイニングエリア、自社製品の大型キッチンを設置したラウンジエリアといったリフレッシュスペースもあります。
社内外の打ち合わせに使用する会議室は、木・石・鉄・ガラス・モルタルといった建築素材に因んでデザインされた空間に。ガラスパーティションの枠を床や天井に埋め込んで存在感を消したり天井の窪みに照明器具や空調設備をすっきりと収めたりと、細部にまで引き算の美学を貫いています。
収納家具にも自社製品をふんだんに採用し、従業員自身が製品の良さを肌で感じて愛着や理解を深められる空間を実現しました。
・ミラタップで取り扱っている商品
- 門柱《オスポールスリム》
- 洗面所収納《ピッタラ》
- タイル《ブルーエモーション 598 ダーク》
- システムキッチン《グラッドLX》
- タイル《ラ・フォレスタ ビアンコ》
- 浴室用水栓・シャワー《クロマ 220 エア シャワーパイプ》
- バスタブ(浴槽)《オフリー ピロー》
失敗しないオフィスデザイン会社の選び方
実績・施工事例が豊富か
パートナーとなるデザイン会社を探す際は、必ず公式ホームページなどで過去の実績や施工事例をチェックしましょう。
手がけたオフィスの数が多いほど、多様なトラブルへの対応力やデザインの引き出しが豊富である証拠です。特に自社と同じ業界や似たような規模の会社での実績があるかどうかは判断基準として役立ちます。
写真だけでなく「どのような課題をどう解決したのか」というストーリーが掲載されていれば、具体的なイメージが湧きやすいでしょう。
コミュニケーション力・提案力があるか
担当者のコミュニケーション力と課題に対する提案力は、どちらもオフィスデザインの成否を分ける要素です。気になる会社を見つけたら実際に問い合わせや面談を行い、自社の要望をどれだけ正確に汲み取ってくれるか・担当者の熱意や能力といった点をシビアに見極めましょう。
ただおしゃれな流行のデザインを押し付けてくるのではなく、自社の抱える潜在的な課題を丁寧に汲み取ってプロの視点から解決策を提示してくれる担当者が理想です。「なぜこのレイアウトがよいのか」を論理的に説明できるパートナーを選びましょう。
アフターサポートが充実しているか
オフィスは完成して終わりではなく、そこから従業員が長く使い続ける生きた空間です。会社選びの際は、デザイン力や初期費用だけでなく施工後の「アフターサポート」の充実度も必ず確認する必要があります。
使ってみて初めて気づく設備の不具合や人員増加に伴う急なレイアウト変更など、運用開始後にはさまざまな要望やトラブルが発生するものです。保証期間の長さやメンテナンス体制が整っている会社を選べば万が一の際にも迅速に対応してもらえるため、長期にわたって快適で安全な職場環境を維持できるでしょう。
理想のオフィスデザインを実現するために
オフィスデザインを成功させるためには、自社の課題やニーズに寄り添ってくれるパートナーの存在が欠かせません。オフィスの設計や建材選びで迷ったら、豊富な経験と実績を持つプロに相談するのが確実です。
弊社ミラタップは、オフィスの新設や移転といった大型プロジェクトに対応できる大口法人向けの窓口を設けています。
海外のトレンドを熟知したバイヤーや資格を持つインテリアコーディネーターが、お客様のご要望・予算・スケジュールに合わせた空間を提案。建材や設備の確保から納期の調整までをワンストップでサポートし、在庫の取り置きや納品後の細やかなメンテナンスにも柔軟に対応いたします。
ワンランク上の洗練されたオフィスデザインをご検討の際は、ぜひお気軽にミラタップまでご相談ください。
オフィスデザインに関するよくある質問
Q. 今使っているオフィス家具や什器をそのまま活かせますか?
はい、もちろん既存の家具や什器も新しいオフィスで継続して使用できます。使い慣れたデスクやキャビネットをそのまま再利用すれば、新規購入にかかるコストを削減できるのがメリットです。
ただし、新しいオフィスのデザインコンセプトや内装の雰囲気に古い家具が違和感なく馴染むかどうかは事前にシミュレーションしておく必要があります。長年使い続けた家具や什器は経年劣化が進んでいる可能性もあるため、不具合の有無もチェックしておきましょう。
Q. 小規模オフィス(狭い空間)でもおしゃれなデザインは可能ですか?
はい、もちろん可能です。小規模オフィスは施工範囲が限られているため壁紙や床材のテイストを揃えやすく、空間全体に洗練された統一感を持たせやすいという強みがあります。必要な家具や什器の数が少ないためトータルの費用が抑えられ、こだわりの照明やデザイン性の高いチェアに予算を回すといったメリハリの効いた投資が可能です。
狭さを感じさせないテクニックとして、背の低い家具を中心に配置して視線の抜けをつくったり、壁や天井に膨張色である白を使用して空間に奥行きを持たせたりする視覚的な工夫がよく用いられます。
Q. デザイン設計から完成まで、どのくらいの期間がかかりますか?
オフィスの規模や工事の範囲によっても変動しますが、一般的な目安としては「計画立案から完成・引き渡しまで約3~6ヶ月程度」が目安です。
おおまかなスケジュールの流れは以下のようになります。
- ヒアリング・現地調査(1~2週間)
- コンセプト決定・ゾーニング(2~4週間)
- 提案・お見積り(2~3週間)
- 設計・着工準備(2週間以上)
- 工事・搬入(2~6週間)
- 完成・引き渡し
予期せぬトラブルや資材の納品遅れに備え、余裕を持ったスケジュールを組むようにするとよいでしょう。
2026.3.31更新
※このページの掲載内容は更新時点の情報です。商品仕様や価格表記などは現在と異なる場合がございます。 恐れ入りますが、最新情報はミラタップ(旧サンワカンパニー)オンラインストアにてご確認ください。








